“日常”ってこんな感じです ページ1
「うわっ、まぶしー」
隣で音葉がつぶやく。ただぼーっと足元をみつめていた私は、音葉につられて南の空をみつめる。
「わ。ほんとだ。帽子もってくればよかったね」
「っていうかー、なんでこんな昼間っから冷房ガンガンの部屋飛び出して講演会の準備させられんのよー」
「市議会議員が来るみたいだけど、行けない私たちが駆り出されるとかしんどいよね」
……そう、これから私たち(私のクラスメート)は、夏休みに行われる市議会議員の講演会(大人限定)の準備のために市民ホールまで炎天下の中を歩いて行かなければならない。微妙な時間だったので、昨日のうちに音葉と昼ご飯を一緒に食べる約束をしていた。
「ねえねえ、そういえば決めてなかったけど、どこでお昼ご飯食べるの?」
「あー……、ファミレスにする? 超無難」
「ま、うちら前もお昼ご飯食べに行ったから金欠だしー、いいんじゃない?」
「きーまーりー」
そんな会話を歩きながらしている。食事場所がファミレスに決まったので、私たちはくるっとUターンして小走りになった。
「ねね、雫。ちょっと急がなきゃだし、そこの信号まで競争しない?」
「いーよー。じゃあ、よーいどん!」
私が、音葉がこっちを向いている間によーいどん、と言ってしまったため、音葉はびっくりした顔をしてから「え、ちょっと待ってよー」と走ってくる。
「わーい、私の勝ちー」
「ひどいよ雫ー。まだウチ準備できてないしー」
そういいながら音葉はむうっ、とほっぺたを膨らました。
……音葉ってホントかわいい。私たち中二で同い年なのに、音葉は背ちっちゃくて妹みたい。癒されるー。
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作者名:長月麗 | 作成日時:2018年1月19日 22時