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かたかたと食器を片す音がやけに広い厨房に響き渡る。言わずもがな、らっだぁの食事の後片付けをAが一人で行っている音である。らっだぁは風呂場で体を洗っていた。食器を早めに片すと、Aは、らっだぁの着替えとタオルを脱衣所へと持ってきた。
「魔王様。お着替えとタオル、置いておきますね」
そう扉越しにらっだぁに声をかけ、Aは手に持っていた着替えとタオルを、分かりやすい棚の上に置いた。
「Aー！？ 一緒に入ろうぜ！」
「私は既に済ませましたので」
そんなやり取りを扉越しに行った後、Aは脱衣所の点検にかかる。点検というよりも簡単な掃除、と言った方が分かりやすいだろう。洗面器や鏡を拭き、ドライヤーが故障してないかを確かめる。この館の風呂場はまるで温泉のように広く、それは脱衣所も例外ではない。ロッカーこそはないものの、温泉の脱衣所同様だ。風呂に関してはもはや温泉である。
たくさんの友達と入れたら楽しいだろうな、なんてらっだぁが言ってたことをAはふと思い出す。
「あー、さっぱりした！」
Aが思い出していたことを断ち切るように、らっだぁが腰にタオルを巻いた状態で上がってくる。そのままさっと体を拭いて、Aが用意した着替えを着る。いつもの服に、青い上着とマフラー、ニット帽が無い状態だ。
らっだぁは、Aの近くにあった椅子にすとんと座る。それを見たAは、ドライヤーを手に取って、らっだぁの青く艶やかな髪を乾かし始めた。
普段なららっだぁはここで寝てしまうのだが、食事前に寝たからなのか、気持ち良さそうにふわふわした表情を浮かべるだけだった。
「ん〜……おれAに髪乾かされんのすき」
「ほう、ありがとうございます」
どこか懐かしさを感じるような、そんな手つき。そう思いながららっだぁは身を任せた。
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アイリス - 初コメ失礼します〜。お話がとても面白いです！体調に気を付けつつ頑張って下さい！(上から目線だったらすいません) (2020年4月10日 23時) (
レス) id: efae12fbca (このIDを非表示/違反報告)
らんら - コメ失礼します！好きです。(唐突)作者さんと自分の好み同じすぎます！更新頑張って下さい！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 411096a00b (このIDを非表示/違反報告)
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