ルフに魅入られた者 (ページ6)

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4話(主side) ページ6

｢やっぱりこいつがアイツの言ってたヤツだよな、周りには他に誰もいねぇし｣

(この人私のこと知ってるの？それにアイツって…？)

……コイツは危険だ。とりあえず逃げろ。

言われたとおり逃げようと後ろを振り返り走り出すが、目の前に氷の柱が突き刺さった。

｢おっと、逃げんなって。お前を連れてこいって言われてるんだからよ。｣

杖を持った黒髪の青年はニタリと笑った。

その笑みに頭の中で危険信号が鳴り響く。

恐怖からか無意識に1歩後ずさった。

……私を使え。耳飾りに触れるんだ。

言われたとおり耳飾りに触れる。

すると、頭の中に知らない言葉が浮かんできて、自分の意図しないまま勝手に口から発音された。

｢空虚と異界の精霊よ、汝と汝の眷属に命ず、我が魔力を糧として、我が意志に大いなる力を与えよ。出でよルヴァ｣

すると髪飾りは形を変え、剣になった。

…なんというか。
髪飾りが剣になった事にも驚いたが、その長さが尋常じゃない。
おそらく私の身長くらいあるんじゃないだろうか…。
そう感じてしまうくらいの大剣だった。

ここまで大きい使いこなせるのか不安になる。

｢お？やる気か？｣
青年の笑みが深くなる。

(わ、私剣とか使ったことないんだけど…)

はじめて持つ剣に好奇心と恐怖が織り交ざって自然と手が震える。

……大丈夫だ。我がサポートする。

今はルヴァの言うことを信じて戦うしかなさそうだ。
自然と顔が強ばる。

緊張から剣をぎゅっと握り直した。

｢楽しませてくれよ？｣

間髪入れずに先ほどの氷柱が降ってくる。

それを紙一重でよけた。

体が軽い。

まるで重力なんてないかのように感じられた。

身体能力が上がってるのかなと少し呑気なことを考えていると、頭の中でシヴァが支持を出さしてくる。

……剣をふるんだ。

言われたとおり、剣を振ってみると、連続して斬撃のようなものがでた。

それを青年は氷の壁を作って防いだ。

｢なんだなんだ？こんだけか？｣

そういいつつ、またもや氷柱を降らす。

だが、今回のは量が多い。

"守って"

その氷柱はルフの超音波により粉々になった。