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二人ともいい感じに酔ってきて

そろそろ解散するか、という雰囲気になる。

Aさんはいつもより酔っているようだった。

A「…あっ、」
さとみ「おお…っと。」

躓きそうになったAさんの腕を持って支える。

前もこんな感じのことあったな。

電車の中だっけ。

さとみ「大丈夫?」
A「うん、ありがとう」

少し照れたように笑った。かわいい。

さとみ「しっかりしろよ〜」
A「えへへ〜w」

完全に酔ってるな、これ。

ふらっふらだ。

俺はAさんにあわせてゆっくり歩く。

倒れられたらたまったもんじゃねぇからな。

道に出てきてタクシーを拾う。

Aさんは俺の半歩後ろにいる。

さとみ「はい、Aさん乗って」
A「…」

いつものようにお別れしようとする。

でも、Aさんは動く気配がない。

A「…さとみくん」
さとみ「はいはい、乗って」

俺が振り返ろうとすると、
背中にどすっと衝撃を感じた。

さとみ「?!」
A「…っ」

Aさんの手が俺の腹あたりに回ってくる。

……Aさんが後ろから抱きついていた。

さとみ「…」

俺は必死に平然を保つ。

俺、しっかりしろ。どうってことない。

ただ……ちょっとハグされてるだけ。

……いや待て、ハグされてるってやべえよ。

えっ、待て待て待て。

A「さとみくん…っ」

背中が熱い。

俺はじっと腹近くにある小さい手が
震えているのを見ていた。

A「……帰りたくない…っ」
さとみ「…っ?!」

言葉の熱が伝わってくる。

これは…えっと…

さとみ「いや、Aさん、酔ってんでしょ?」

俺はAさんの手を上から握る。

そしてAさんの手を解こうとしながら
言葉を続ける。

さとみ「からかうなら…」
A「連れて行って…っ」

俺は硬直した。

心臓がどくどくと音を立てる。

A「まだ…さとみくんと一緒にいたい…」
さとみ「ぇ……」

Aさんの腕が俺の体から離れる。

解放された俺はゆっくり体を回転させて、
Aさんと向き合う。

射抜くような瞳。

時が止まったような感覚。

ぞくぞくと感情がこみあげて来る。

Aさんと出会ったときと、
全く同じこの感じ。

さとみ「……いい…の…?」
A「…うん」

熱を帯びた視線を向けられて
焦げてしまいそうになる。

A「まだ帰さないで」

Aさんは俺の手を握った。

そして、二人でタクシーに乗り込んだ。

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かりん(プロフ) - 犬田さん» ああああああありがとうございます!とっても嬉しいです!( ; ; )頑張ります!! (2020年3月17日 0時) (レス) id: 24f3758629 (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - @みんと*さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年3月17日 0時) (レス) id: 24f3758629 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - ぷりんすなお姫様からすとぷりの占ツク作者様はかりんさんが一番大好きで最近見かけなくて寂しいな〜なんて思ってたところなんです泣やっとかりんさんの作品が読めて嬉しいです(^-^)更新頑張ってください! (2020年3月16日 21時) (レス) id: 97eecc68d9 (このIDを非表示/違反報告)
@みんと* - めっちゃ面白いです!!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 520d4881dd (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - リト@歌い手色の占ツク民達さん» ええん嬉しいです( ; ; )ありがとうございます〜〜! (2020年3月15日 19時) (レス) id: 24f3758629 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かりん | 作成日時:2019年3月20日 2時

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