塔の上のお姫サマ。【神威】

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本来なら、彼女とそういう行為をしなくてはならない。そして、子供ができればこの場から去る。3ヶ月以内に子供ができなければ、彼女には新たに違う男が用意される。


吐き気がする。女に対してもだが、男の方に対しても。本当に、物としてでしか見ていないじゃないか。


·····ゴメンだね、俺は。誰かの思い通りに動くなんて。


最初は、そういう小さな反抗心だった。



『髪の手、濡れてますよ？』


神威｢あぁ、自然乾燥自然乾燥。Aも入ってきなよ、俺の残り汁で。｣


『その言い方やめてください。入ってきます。』



パタパタ、と風呂場に向かったA。此処の風呂場はなかなか大きなものだった。艦の浴場に比べれば大分小さいけど、1人で入るなら充分すぎる大きさ。


これから此処で生活するのか···。面倒だな。訓練場もないし、美味しいご飯を作る料理長も居ない。相手になる強い奴もいない。ただ1人。
弱くて儚い、哀れな女が居るだけ。



神威｢まァいいか、たった3ヶ月。偶にはね。｣



そう呟いたと同時に聞こえてきた水音。Aが風呂に入ったのだろう。シャワーの音と、水が跳ねる音。


今、すぐそこの浴槽で。あの白くて細い体を晒しているのだろうか。あの色素の薄い細くて綺麗な髪の毛を濡らしているのだろうか。



神威｢······ハァァァァァ、｣



らしくない。



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