お騒がせカップルの模範【沖田総悟】

420：風邪と甘えん坊 ページ41

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『･･･うー、頭痛い･･･』


ぐす、と鼻を啜って頭を布団から出したA。健やかな外の天気とはまるで反対の、苦痛に染まりきった彼女は、顔を紅潮させて目には薄らと膜を貼っている。


どうやらAは風邪を引いてしまったらしい。ここの所寒暖差の多かったから、その為であろう。

近くにティッシュ箱を常備し、数分に１度は鼻をかむ。ゴミ箱はティッシュのクズでパンパンになってしまい、喉は鋭く痛み、唾を飲み込むのも辛い。


そんなAの部屋の襖が開かれたのは午前11時過ぎのこと。無言で入ってくる人物は、言うまでもなく彼女の恋人であった。


沖田｢体調はどーでィ、この軟弱スポンジ野郎。｣


『･･･鼻水と喉と頭痛が辛い。ってか、軟弱スポンジって何･･･。』


沖田｢よく病原菌吸い取って来やがるからねィ。｣


何やらよくか分からない言葉を発する沖田であるが、それは一種の嫌味というものらしい。手元の盆から立ち上る湯気に顔を歪めながら｢粥食うかィ？｣と、彼は盆を傾けて中を見せた。


沖田が布団の傍に腰を下ろすのを見届けたAは、小さく頷くと、のっそりと上体を起こす。そして沖田から差し出された木のスプーンを受け取ろうと手を伸ばした。ーーーが、何故か、沖田はその手を離そうとはしない。


『･･･？あの？』


沖田｢食わせてやろーか。｣



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