お騒がせカップルの模範【沖田総悟】

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恐る恐るといった感じで荒れ放題の草むらに足を踏み入れると、ガサっと音を鳴らす。それが自分達のものだと分かってはいても思わず足を止めてしまう。


だが、私の手を力強く握る土方さんに引きずられるように奥へと足を進めた。･･･こういう時、彼の事が｢カッコイイ｣だの｢頼りになる｣だのとキュンッとする王道ラブコメのワンシーンなのだろうけど、生憎そんな感情は湧いてこない。

取り敢えず手を離してほしい。手汗が物凄いのよこの人。
というか大の大人でここまで怖がっている人が居ると私の恐怖心が安らいでいくのは気のせいか。足が震えてる所とか見てると笑いが込み上げてるのは気のせいだろうか。


『あ、あの？土方さん？』


土方｢あん?!!ンだコラ無駄口叩いてっとぶっ殺すぞコラァ!!｣


『いやそんなガクブルで言われても何も怖くないんですけど。取り敢えず手を離しませんか？』

土方｢何でだ！俺と手を繋ぐのが嫌なのか?!昔はあんなに繋いでくれたのに?!!反抗期か!!!｣


『お父さんですか貴方は！そうじゃなくて、手汗が気持ち悪いんですよ。』


すると秒で掌を服で拭った土方さんは瞬で私の手を握り直す。｢これでいいか?!!｣と振り返る土方さんに私は耐えきれずに吹き出した。




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