お騒がせカップルの模範【沖田総悟】

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沖田｢ーーーなぁ、｣


『ん？』


沖田｢何でこの女は痰吐き出そうとしてんだ？｣


とある雨の日の事。その日、非番が見事に被った私と総悟は、部屋で寝転んで雨音を聴きつつ読書を嗜んでいたのだ。


珍しく私の部屋の棚に並んだ少女漫画を手に取って黙々と読み進める総悟。そのままキュンキュン行動、初々しい恋人の様、諸々を学んで貰わなければ、と期待を込めてその様子を見守った。


数十分が過ぎた後、そんな事を言いながらとあるページを開いて私の目の前に突きつける。この純ピュア恋愛漫画に少女が痰を吐き出すなんていう生々しいシーンがあっただろうか。


そんな疑問を持ちながら突きつけられたそのページを見ればーーーーそこは、ヒロインが好きな男子に告白されて顔を赤くしているシーンで。


『⋯ん？え、このシーンでどの子が痰を吐き出そうとしているように見えるのかな、君は。』


沖田｢だってコイツ｢カァァァ｣って喉鳴らしてんじゃねェか。これじゃ男の方も可哀想だぜィ。この後痰吐き出されて酷い貶しを受けて撃沈するんだろィ？｣


『そんな話じゃねーわ！この子は、恥ずかしくて顔を赤くしてるの！その効果音なの!!痰を集める音じゃなくて!!!』


沖田｢いーや、コレは絶対痰集めてっから。見てろよ、次のページで⋯⋯あり、飲み込んでらァ。｣

『飲み込んでないからね?!!痰自体集めてないからねそのヒロイン!!!』




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