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『―――…そ、うごさん、』
「……頑張ったな」
『へ、 』
「よく、頑張った」
強い力とは正反対の、優しい優しい声が頭の上から落とされる。
ポンポンとリズムよく後頭部を撫ぜるから、―――まるで子供をあやしているようだと、小さく笑みが零れた。
『……なんですか、これ。褒めてるんですか?』
「そうでィ、文句でも?」
『いえ、無いですけど……なんか思ってたのと違う気が、』
そう言うと、肩を掴まれて体を離される。
ほんの数センチの距離で私を覗き込む彼は、今日も今日とて、綺麗な赤い瞳をしていた。
「なら、どうされたかったんですかィ」
『……え、』
今度はこちらが拍子抜けする番だったらしい。
至極真面目な顔でそう尋ねた総悟さんは「言いなせェ」と応えを促す。
―――けれど。だからと言って、して欲しかった事なんて、特に見当たらない。
私としては、総悟さんと一緒に肩を並べるだけで、それはもう大満足なのだから。
『……このままでいいです』
結局は、こうなのだから仕方ない。
私は離れた体温を手繰り寄せるように、総悟さんの背中に腕を回した。
それに応えるように、私の体にも腕が回される。
やがて肩に顔を埋めた彼は、小さく溜息を吐き出した。
「……無事でよかった、」
そんな言葉と共に。
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アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 真里亞さん» わわ、ありがとうございます!本当に申し訳ないのですが、こちらの不手際で続編を一時削除しました(土下座)すぐにアップするので暫くお待ちくださると幸いです・・・! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
真里亞(プロフ) - いつも楽しませてもらってます!続編を読ませてもらおうと思ったらパスワードがかかっていたので番号教えてほしいです! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5fd8901745 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 浅葱さん» 勿体ないお言葉です・・・!本当に嬉しいですありがとうございます!浅葱さんに頼んでいただけるようこれからも頑張ります! (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 星500個つけたいくらい面白いです。更新頑張ってください (2017年9月10日 8時) (レス) id: 9acd7a7003 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - あやねーずさん» コメントありがとうございます!わわ、一気読みですか・・・!すっごく嬉しいです!ちょっとずつ進展できたらな、と思っていますのでご注目ください笑。頑張ります! (2017年9月9日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルハ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bfd3c0329e2/
作成日時:2017年9月4日 23時