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「―――アンタなァ、無茶すんのも大概にしやがれ」
吐き出されたのは、やはり思っていた通り、怒気を孕んだ声だった。思わず肩をすくめれば、彼はしゃがみこんで私と視線を合わせる。
真っ直ぐに混ざった視線にいたたまれなくなって、目線を膝元に落とすけれど、頬を両手で挟まれて無理矢理顔を上げられた。
「極秘任務だか何だか知らねーが、
一言も言わないとはどういう事ですかィ」
『……』
「つーか、敵陣の中に女一人で潜入するとか
無謀なんでィ。プロの山崎だって捕まっちまったんだ。
危険な所だってのは分かるだろィ」
『……そ、』
「アンタは馬鹿なんですかィ」
『―――総悟さん、』
「……なに」
尽きそうに無い悪態をつらつらと並べる彼。
結局は心配かけてしまったんだな、と自分を不甲斐なく思うと同時に、―――少しだけ嬉しくなる。
『私、疲れました』
「あ?」
『だから、今は責めるんじゃなくて、
―――――褒めてください』
突然そんな言葉を投げかけるものだから、目の前の総悟さんの顔は、拍子抜けしたようにポカン、と口を開けた。
その表情に思わず吹き出せば、彼は不機嫌そうに眉をひそめて、「何を呑気に」と頬から手を離す。
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アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 真里亞さん» わわ、ありがとうございます!本当に申し訳ないのですが、こちらの不手際で続編を一時削除しました(土下座)すぐにアップするので暫くお待ちくださると幸いです・・・! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
真里亞(プロフ) - いつも楽しませてもらってます!続編を読ませてもらおうと思ったらパスワードがかかっていたので番号教えてほしいです! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5fd8901745 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 浅葱さん» 勿体ないお言葉です・・・!本当に嬉しいですありがとうございます!浅葱さんに頼んでいただけるようこれからも頑張ります! (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 星500個つけたいくらい面白いです。更新頑張ってください (2017年9月10日 8時) (レス) id: 9acd7a7003 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - あやねーずさん» コメントありがとうございます!わわ、一気読みですか・・・!すっごく嬉しいです!ちょっとずつ進展できたらな、と思っていますのでご注目ください笑。頑張ります! (2017年9月9日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルハ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bfd3c0329e2/
作成日時:2017年9月4日 23時