酸いも甘いも噛み締めて【沖田総悟】

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応援要請をしてから数十分後。

既に事を終えたそこに姿を現したのは、数日ぶりに見る―――総悟さんだった。


積み上げられた男達。無我夢中だったから、若しかしたら急所を斬ってしまっているかもしれない。その体からは呼吸音の一つも聞こえなかった。



それから、ぼーっとした頭で周りを見渡して、牢の中の人達や怪我を負った山崎さん達が無事だと分かって。


―――総悟さんの顔を見て、

安心して、力が抜けて、次の瞬間には視界が真っ暗になっていた。





次に目を覚ましたのは自室の布団の上だった。


久方ぶりに見る天井や、部屋の香りに息を零す。
見れば、外はまだ真っ暗で。それがまだ“今日”なのか“次の日”になってしまっていたのかは、分かりかねた。


痛む体を起こせば、身に纏う服はあの時のまま―――血だらけの、隊服のままであった。

きっと、女性が居ないから着替えさせる事が出来なかったのだろう。
香る血の匂いに顔を顰めた。



「――――起きたかィ」

『！』



突如、放たれた声に肩を大きく揺らした。

隣の部屋から姿を現したのは、黒い隊服に身を包んだ総悟さんであり、彼は赤い瞳を細めて私を見下ろす。



(―――怒ってる？)



何となく、直感で。

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