酸いも甘いも噛み締めて【沖田総悟】

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「―――起こってねェよ、さっさと戻れ」

『…貴方は人の嘘を見破るのは得意なのに
隠すのは下手くそなんですね』

「あ？」

『連絡、来ないんですよね？多分、山崎さんから』

「……」

『ここ最近山崎さんのこと見かけませんし、
監察のお仕事をしているんだろうと思っていました』

「…」

『そして同時期に増えた過激派攘夷志士一派…“瓏閣”に
関する書類整理。山崎さんはそこに侵入かなにか
しているんでしょう？そしてその連絡が途絶えた』

「はァ…、これは極秘任務なんだよ…
ンな簡単に当てられちまったら面潰れもいい所だ」



シュッとライターの火を灯す。それを新たに咥えれたタバコの先端に移すと、大きく吸い込んで吐き出した。

視界を覆う紫煙に目を細める。



『…いつから？』

「もう三日目だ。彼奴には一日二回連絡を取るよう
言いつけている。―――いくら何でも異常事態だ」

『敵に、バレた可能性が？』

「その線で考えるのが妥当だろうな」



異常事態だなんて、そんなものじゃない。

非常事態じゃないか。


もし敵に侵入がバレたとするならば、敵方は間違いなく
山崎さんに酷い仕打ちをするだろう。真選組の事を吐かせて、すぐに奇襲をかけるはずだ。

そして、まだ攻撃がないという事は……山崎さんは口を割っていない。



『―――…私が助けに行きます』

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