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(――――あぁ、ほら……また、)
そうやって、まるで大切なものに触れるみたいに、優しく優しく。触れる、から。
私の頭の中の疑問符は止むことを知らない。
どうして優しくなんかするのだろう。
初めの頃は、馴れ合う気なんてさらさら無いような態度だったのに。
冷たく突き放したかと思えば、実はそれは
私の事を思っての事だったと言う。
本当に分かりにくくて見えずらい、微かなそれだったのに。
―――どうして、こんなに。
『……大、丈夫です。すみません、心配おかけして』
「何かあったんですかィ?」
『何も無いですよ。
夕飯なんですよね?早く行きましょう』
「嘘つけ」
「何で泣きそうなんでィ」
通り過ぎようとして腕を掴まれた。
強く引き寄せられた先には、その人の真っ赤な瞳にぶつかる。
否応なしに合わせられたそこに映る私は、今にも泣き出しそうな、子供のような顔をしていた。
縮まった距離に身をこわばらせる。
やがて吐息が混ざり合えば、頭の中がぐちゃぐちゃになって、伏せた瞼から涙が溢れた。
(………どうして、)
優しくなんて、されたくなかった。
触れてなんて、欲しくなかった。
口付けなんて、して欲しくなかった。
―――――これが“恋”だと認めざるを得ないのに。
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アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 真里亞さん» わわ、ありがとうございます!本当に申し訳ないのですが、こちらの不手際で続編を一時削除しました(土下座)すぐにアップするので暫くお待ちくださると幸いです・・・! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
真里亞(プロフ) - いつも楽しませてもらってます!続編を読ませてもらおうと思ったらパスワードがかかっていたので番号教えてほしいです! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5fd8901745 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 浅葱さん» 勿体ないお言葉です・・・!本当に嬉しいですありがとうございます!浅葱さんに頼んでいただけるようこれからも頑張ります! (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 星500個つけたいくらい面白いです。更新頑張ってください (2017年9月10日 8時) (レス) id: 9acd7a7003 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - あやねーずさん» コメントありがとうございます!わわ、一気読みですか・・・!すっごく嬉しいです!ちょっとずつ進展できたらな、と思っていますのでご注目ください笑。頑張ります! (2017年9月9日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルハ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bfd3c0329e2/
作成日時:2017年9月4日 23時