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『――――…』
……あれ、何だっけ、これ。
どうして、こんなに息がしずらいんだろう。
どうして、こんなに総悟さんの顔が近いんだろう。
どうして、唇に熱が宿っているんだろう。
(―――どうして、)
口付け、なんか。
軽く合わさったそれは幾度か角度を変えて落とされると、ゆっくりと、その熱は消えていった。
私の頬を包んでいた総悟さんの指先は、冷たく冷えきっていて。
―――ほら、やっぱり、寒かったんじゃないかと。
そんなどうでもいい事を考えながら、形のいい口唇を見送った。
『……なに、するんですか』
「ンなの分かるだろィ」
ガキじゃあるめェし、と彼の指先は私の髪を掬って離れた。
働かない頭で、池へと視線を戻した総悟さんを一瞥した後に、まだ余韻の残るそこに触れてみる。
あまり、実感は湧かない。
まるで息をするように落とされた口唇だったから、今しがた私にとっての初めての口付けがされただなんて。
『どうして、こんな事……?』
「何か問題があるかィ?」
『問題って、』
「あるに決まってるじゃないか」と言いそうになって、やめた。
だって、よく考えてみれば、私達は仮にも“夫婦”なのであって。そういう事をするのは当たり前の事だろうし、何も、問題にはならない。
『……問題は、無いですね』
「なら、嫌だったか?」
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アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 真里亞さん» わわ、ありがとうございます!本当に申し訳ないのですが、こちらの不手際で続編を一時削除しました(土下座)すぐにアップするので暫くお待ちくださると幸いです・・・! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
真里亞(プロフ) - いつも楽しませてもらってます!続編を読ませてもらおうと思ったらパスワードがかかっていたので番号教えてほしいです! (2017年10月25日 23時) (レス) id: 5fd8901745 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 浅葱さん» 勿体ないお言葉です・・・!本当に嬉しいですありがとうございます!浅葱さんに頼んでいただけるようこれからも頑張ります! (2017年9月10日 20時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 星500個つけたいくらい面白いです。更新頑張ってください (2017年9月10日 8時) (レス) id: 9acd7a7003 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - あやねーずさん» コメントありがとうございます!わわ、一気読みですか・・・!すっごく嬉しいです!ちょっとずつ進展できたらな、と思っていますのでご注目ください笑。頑張ります! (2017年9月9日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルハ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bfd3c0329e2/
作成日時:2017年9月4日 23時