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総悟さんの手を引いて廊下を進み、会議室までやって来る。時々足をもつれさせる彼も少しずつ頭が活性化してきたのか、今ではしっかりと自分の足で歩いてくれている。
そうして部屋に辿り着いたのは八時五分前。ギリギリだ。
なんとか間に合ったと胸をなで下ろしていれば、室内の様子が少々おかしい事に気づく。
いつもは土方さんの前で神妙な面持ちを構えた隊士達が正座しているはずなのに……背の高い焦げ茶の髪の男性を囲んでワイワイと騒いでいたのだ。
あの土方さんでさえも。
(――――誰だろう)
初めて見る人だった。
気さくな笑顔から溢れ出るような優しさ。大きな声で豪快に笑うその人の周りには沢山の笑顔が咲いているようだ。
「近藤さん!」
何となく、その輪の中に入るのは躊躇われて立ち止まっていると、私の背中に居た総悟さんが明るい声を上げる。
そして繋がれていた手を簡単に振りほどいて、部屋の中心で笑う彼に「帰ってきてたんですかィ」と。これまた元気な声で駆け寄ったのだ。
(コンドウ……近藤勲)
1人、取り残された私は総悟さんの口から放たれた男性の名前を反芻させて、その人が真選組局長の近藤勲であると理解する。
何度か、総悟さんや土方さん、隊士達の会話の中で聞いた事がある。―――確か、地方の方に出張に行っていたとか。
「何だ総悟、寝起きか?寝癖が酷いなァ!」
「こんな朝っぱらから会議なんてありゃ
やる気も起きねェってもんでさァ」
「テメーは隙ありゃ寝てんだろうが」
(―――――あんな風に、)
笑ったりするんだなぁ。
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アルハ*平日低浮上*(プロフ) - しろさん» コメントありがとうございます!わぁぁ、そんな風に言ってくださると、本当に嬉しいです!更新頑張ります! (2017年9月4日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - こんにちは!沖田さんの小説の中でもこの作品大好きです。これからも応援してます!! (2017年9月3日 22時) (レス) id: a9aae77c99 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - ちゃむさん» わぁぁ、とても嬉しおコメントありがとうございます!1番のお気に入りだなんて言ってもらえて私は幸せです泣。これからまた恋愛要素入れていくので楽しみになさっててください!^^*頑張ります! (2017年8月25日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 初めまして。今この小説が1番お気に入りでして更新を毎回楽しみにしてます。とてもキュンキュンしながら楽しんでます!有難うございます!更新頑張って下さい^ - ^ (2017年8月20日 8時) (レス) id: 595d5740d4 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ*平日低浮上*(プロフ) - 獅子の子さん» す、素敵な小説だなんて・・・!ありがとうございます!はい、カップルの方でもコメント頂いて歓喜極まっています笑これからもこの小説を楽しんでもらえたら嬉しいです^^* (2017年8月11日 14時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルハ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bfd3c0329e2/
作成日時:2017年8月2日 22時