憎しき彼に華を【神威】

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デスクワークが嫌いとは言えども、私は沖田さんと違って仕事が早い。


ささっと仕上げたそれをあの笑顔をぶら下げた男に差し出して「アンタより仕事早いの私。すごいでしょ。デスクワーク万歳」と言ってやりたい。



神威の部屋に行くなり、そいつにそれを全て渡せば「仕事早いねありがと」と素直に礼を言われて呆気に取られてしまった。




「なに？」


『いや、別に』




「遅かったね。仕事もできないのかと思ったよ」と言われるのを予想していたため、素直に褒められて少し調子が狂ってしまう。


何もないフリをして、部屋から出て行こうとすれば神威は「A、」と私の名を呼んで引き止めた。




「お疲れ様」


『！？』




思わぬ労りの言葉に私自身驚きを隠せないままその部屋からそそくさと出て行く。

何が彼奴にあったと言うのだ。




『……って！！私は、彼奴にギャフン！と言わせてやりたかったのに！』




廊下でそう叫んで、再び頭を抱えた。



『打倒神威！！けちょんけちょんにしてやる…っ！』



変に回る気をかき散らし、闘志を燃やしては剣術の修行でもしようと鍛錬場に走って行く。途中出会う団員たちにガンを飛ばした。




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