憎しき彼に華を【神威】

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『…………んあ、』


「やっと目を覚ましたか」



薄っすらと目を開けると、目の前には真っ白な天井と椅子に腰掛ける私の上司である沖田総悟がいた。

体を起こそうとするが、身体中に走る激痛によりそれは不可能に。これは至る所の骨をやってしまったか。


久々に感じる痛みに顔を歪ませていれば、沖田さんは磨きあげた剣を私に向けてきた。無表情でそれを見つめていれば、奴はふっと鼻で笑いそれを鞘に収める。




「ーーーンで、無様に負けた感想はどうでィ」


『あー、ムカつく。沖田さんにまでアイツと似たようなこと言われて。無性に腹立つ。殺したい』




物事考えずに突っ走り、夜兎の男を探して戦いを挑んだ。……そしてこんなにも無様な姿で帰還してしまった私を沖田さんは「ほんと戦闘馬鹿だねィ」という。



沖田さんと引き分けになるぐらい強い相手だからこそ、私の中の修羅が煮えたぎって。奴と一戦交えてみたいと思ったのだ。




『でも、無様な私でもアイツに傷を一つつけることはできたわ。

ーーー勝ち目はまだあるはずよ』


「これだから面倒臭ェ部下を持つと上司は苦労するんでィ。その捻じ曲がった根性も叩き折られてくりゃァよかったのにな」


『沖田さん……。私、今ものすごく貴方を殺したいです』




情けでも夜兎のアイツが私を殺さず、生かされたことに腹が立つ。"殺す価値もない"と見下されたように感じ。



ーーー絶対に、地の底まで追いかけて殺してやる。





『沖田さん。私、早く退院したいので医者に金握らせて私を一番に診てもらえるように頼んできてください』





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