08 ページ8
.
沖田「ーーこんにちは。」
『ふふ、こんにちは。』
梅雨の時期はよく雨が降る。毎日のように、
枯れる事は無いのか、と思うほどに。
久しぶりに晴れた日に訪れてみたが
そこに女の姿はなく。
女は雨の日にのみそこに居るようだった。
したがって、雨の日にその場所に足を運んでいるのも
また自然な流れだろ。何にせよ、そこは
とっくの前に寂れちまっている。
近くに美味ェ甘味処があるわけでも、
ましてや知り合いの家があるわけでもないから。
(ーーーだが、そうなると。俺ァこの女に
会いに来てる、って事にならねェか?
······いや、それはないな。ないない。)
あれだ、寂れている町はチンピラ達の無法地帯。
こんな所に女が1人居るとなると、その後
どんな事になっちまうか知れたモンじゃねェ。
『ーーー貴方は、お侍さんですか?』
その日も雨が降る中、女の横に立ちたわいもない
会話を交わしていた時。コチラに目を向けながら
そう尋ねた女。おそらく、俺の腰に見られる
刀にそう思ったのだろう。
沖田「まァ、そうなりやすね。芋侍ですが。」
『そうなんですね。·····なら、幕臣の方?
それとも攘夷志士ですか?』
沖田「ーー攘夷志士だったらどうするんでィ。」
.
538人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たろ。(プロフ) - ぐぬ、、、最高すぎる、、、 (2022年6月15日 19時) (レス) @page47 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - ちょっぴり切なくて感動するし、設定とかもう全部引っくるめて大好きです!泣待ち人が攘夷浪士だったっていう設定もそれはそれでいいなって思いました笑笑笑 (2022年2月27日 20時) (レス) @page45 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
にょろ - 癒された…心があったかくなりました(*´ω`*) (2018年11月15日 20時) (レス) id: 04a2fc2925 (このIDを非表示/違反報告)
沖田優朱 - めちゃくちゃ感動しました! (2018年9月30日 2時) (レス) id: a3af942d1f (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - 涙腺が・・もう崩壊寸前なんですが・・。とっても感動しました!沖田の勝ち目が無いと分かっていても一途に思い続け、主人公の幸せを願うところとか最高過ぎて・・!カップルシリーズも頑張ってください! (2018年1月21日 17時) (レス) id: 76bba592ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルハ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bfd3c0329e2/
作成日時:2017年2月18日 9時