お似合いカップルの模範【沖田総悟】

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『総悟。』


沖田｢あ？｣


『邪魔なんだけど、いい加減。』


沖田｢知るか、こちとら寝るのも暇なんだよ。かまえ。｣


『寝るのも暇って、寝てしまったら暇もクソも記憶ないんだから暇な訳ないでしょ？』


沖田｢つまり、目を閉じんのも暇だって言ってんでィ。国語力ねェな。｣

『知らねーよ！何で私貶されなくちゃいけなかったの?!つーか目ェ閉じてんじゃねーか！何だお前!!』


本日非番で暇を持て余し｢寝るのも暇だから｣というよく分からない理屈の元、Aの部屋に押しかけていた。


職務に全うするAを眺めながら悔しがるのを見てやろうと、彼女の前で本を読んだり寝っ転がって見せたりしてみたが。それは沖田の思うほどの効果を発揮しなかったのである。



どうやら重要な書類らしく、Aは眉に皺を寄せて真剣に取り組んでおり。俺を無視するとはいい度胸じゃねェか、傷ついたぞ俺。と、Aの膝の上にお邪魔したわけだ。


沖田｢······｣

『······そんなに見ないでよ、やりにくい。』


沖田｢暇。｣

『分かった、分かったから！散歩でも行ってきたら？私仕事中なの。』


沖田｢あんだと？俺と仕事どっちが大切なんでィ。｣

『仕事。』


沖田｢そうかィ·····分かった。｣


しゅん、とあからさまに落ち込んだ様子を見せた沖田。眉を八の字にして立ち上がり部屋から出ようとする。

ようやく仕事に集中できる、とAは机に向き直るが。部屋から人の気配がいつまでも消えない。不思議に思い沖田が居るであろう襖に目をやると。


『····ああああ、もう！分かったから！構ってあげるから！そんな子犬みたいな目で私を見ないで!!罪悪感が生まれる！私何も悪くないのに!!で?!何するの！おままごとでもする?!!』


沖田｢あ、夫婦役でもヤルか？｣
『出ていけ。』


沖田｢で、その間に産まれた子供も入れて家族ごっこでも···｣
『長ーわ！一体何年おままごとするつもりだ！つーかごっこじゃなくてモノホンできてるだろそれ!!』




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