我慢は得意なんだ。【赤葦京治】

『家族』 ページ5

光太郎「じゃあ、なんかあったら言うんだぞ！」

『ありがとう、光太郎。』



家が隣同士で小さい頃からよく遊んでいた。
光太郎が家に入っていった所を確認してから引き返した。
家には入らずに。







『くしゅんっ……さぶ。』


まだ5月だ。夜は冷える。
行くあてもなく、近所の公園に来ていた。
電灯の下にあるベンチに1人、蹲っていた。

スマホで遊びたい所だけど、充電がそんなにない。





ﾋﾟｺﾝｯ



光太郎部屋に電気ついてないけどもう寝てんの?







光太郎からだった。



『うん、いまから、寝る、ところ』




そう打って画面を消した。







家に帰れない。
帰りたくない。



上を見たら、綺麗すぎた星空。









光太郎「何してんの！？」

『ぇ……光太郎…、なんで？』




光太郎「まだ7時だ！寝るなんておかしいだろ！？
それに、今日は勲さんの怒鳴り声が聞こえなかったからな！」





うちの父さんは、私に当たりが強かった。
それもそのはず。


母さんは、私のせいで死んだのだから。






光太郎「今日はうちに来いよ、母さんも心配してたぞ！」

『……うん。』








翌日、光太郎の家から出ると、私の家の前に人影が見えた。


木兎「あかーし！？」






赤葦くんがいたのだ。

『彼氏』→←『幼馴染』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す