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「はい、私ですが…。」
急に警察がくるなんて、どうしたのだろう。なんてとぼけた考えを持てるほど私は鈍感ではなかった。
「今ネットで話題になってること、ですよね。要件は…」
「その通りです。
…規制を徹底できずあなたにもご迷惑おかけしていると存じます
しかしながら我々としてもあの集団のしっぽを掴みたいのも事実。
して、今日はあなたに七瀬桃花、つまりあなたの妹の居場所を聞きに来た、という訳なのです」
思った通りだ。
「妹の居場所…すみません。もう何年も会っていないんです。
居場所も知らないし、あの防犯カメラ映像でやっと生きていることがわかったくらいで…
お役に立てず、すみません。」
そう続けると妹について数個質問した後に諸伏と名乗った男性は帰って行った。
「また改めてお話を伺いたいので、署に来ていただくかもしれませんが…」
「わかりました。早めに言って頂ければ仕事を休めますので、お願いします」
去っていく諸伏さんの背中を見ながらドクドクと音を立てる心臓を落ち着かせるように深く息を吸った。
「怪しく無かったよね、大丈夫かな…」
テーブルに置かれたスマホが光り、1件の通知が来たことを知らせる。
『この前はありがとうお姉ちゃん!
ほんとに頼りになる!また匿ってね!』
七瀬桃花、と表示されているアイコンには、背格好、顔立ちが瓜二つの双子の姉妹が映っていた。
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作者名:ひねり揚げ | 作成日時:2023年3月14日 10時