男好き72 ページ27
.
『…しっかり、しないと……
鬼にあんな事を許すなんて、甘い…戦いに対する姿勢が甘すぎる、』
私はそう自分に言い聞かせ、奮い立たせる。
自分が本当に、嫌になる。
いくら稽古を積んでも、経験を積んでも、
お姉ちゃんの事が絡むだけで、私はこんなにも無力になってしまうのだ。
これの何処が、柱だ、こんな人間にいったい誰を守れるのいうのか。
情けない、不甲斐ない……。
『…ック、』
私は拳を握りしめ、歯を食いしばった。
_____取りあえず、今は三人と合流しないと。
一歩、そしてまた一歩、
私は静かな森の中を歩き始めた。
___
__
「三人とも、ご苦労様」
気配を辿り行き着いた先に、三人の姿を見つけた。
塵となりつつある鬼の残骸が横たわっている。
「Aさん…どうしたんですか?その服!!」
そう言って慌てて駆け寄ってくる炭治郎くん。
それに続くように、伊之助くんも此方へ向かってくる。
『ちょっと動きづらくって…アレンジしてみたんだけど、』
どうかな?何て、冗談めかして言う。
ここで笑いが起きるものだと思ったが、
炭治郎くんは黙りこくり、顔を背けてしまった。
予想しない反応に戸惑ったが、私は話を続ける。
『三人とも、怪我がなくてよかった、
やっぱりみんな素質があるみたいだねー。
…ところで、善逸くんはどうしたのかな?』
木の横で倒れている…いや、寝ている彼を指差し、二人に尋ねる。
「あいつはいっつもああなんだぜ、パニクって失神して倒れるんだ。ったくだらしねぇ!」
そう言い放つ伊之助くんを、通常の様子に戻った炭治郎くんがカバーする。
「でも、眠っている善逸はすっごく強いんです!
今回の敵もほとんどは善逸が…「俺だって…!」あ、うん、伊之助もすごかったな!」
『へぇ…、』
善逸くん、最初に合った時に、見た目にそぐわない様な強い気を感じたけれど…
あの直感に間違いはなかったという事か。
きっと、彼はまだまだ未知の力を秘めている、
それは、この二人にも言える事だが。
『炭治郎くんは流石お兄さんって、感じだね』
伊之助の扱い方が手慣れているというか、何というか。
「そうですか?俺、長男ですからね!」
そう言って、少し嬉しそうにはにかんだ。
1920人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名 - 濃ゆいって方言ですか? (2019年12月26日 23時) (レス) id: e1da86b5ff (このIDを非表示/違反報告)
麗優(プロフ) - ほんとですよね笑 無敵だけどいい迷惑ですね。はい、よろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 114271c2f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 猫まんまさん» あ、そうなんですか(笑)教えていただいてありがとうございます! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 麗優さん» 何で職場なんですかね、、ほんとあれは無敵スキルですよね、、これからもよろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
猫まんま(プロフ) - 伊織さん» あっ。でも、そのグループ解散しちゃって…。 (2019年12月22日 22時) (レス) id: a02a4587d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊織 | 作成日時:2019年12月4日 22時