男好き59 ページ14
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「一度も聞いた事がないが…。
よもや、そういう間柄か」
冨岡さんの虚言が災いし、更にピリピリとした雰囲気が広がる。
柱の方々とも少しずつ打ち解けて来たと思っていたが、
このような事で不機嫌になると言うことは、
やはり、本能では私の事を拒絶しているのだろうか。
自分で撒いた種の筈、十分予測していた事の筈、
だが、どうもこの虚しい気持ちが拭えない。
堪らなくなって、私は言葉を発する。
『誤解ですよー。
冨岡さんは私がどんなに言い寄っても相手にすらしてくれませんし、
これも私をからかいたかっただけでしょう』
ね?と、話を合わせる様に冨岡さんに目配せをする。
何を言って居るんだ、という目を返して来たと思えば、
何かを思い出したかの様に口を開いた。
「そういえば、本人の前でそう呼ぶのは、初めてだったかもしれない。
呼ぶ機会がなかった」
わざわざ名前を呼ばなくても会話は成立するからな、と続ける。
冨岡さんの返答に、論点を覆されたかの様になった柱達は、
もうどうでも良くなったのか、一人、二人と、
その場を後にした。
「おい、」
『何でしょうか』
冨岡さんが私との距離を詰める。
「名前を呼ばれるのは、いやか、」
そんな変な質問…、富岡さんは何処か抜けてる。
『そんな訳ありませんよー。
私、冨岡さんが名前を呼んでくださって、
こう見えてもすごく喜んでるんですからね?』
男性の声は女性の声よりも低くく、落ち着いついたトーンで、安心できる面がある。
それは、まぁ、心地よいものだ。
また、名前を呼ばれるという行為は、何だか自分が認められている気にさせてくれる。
「喜んでいるなら、良かった。
やはりお前は笑顔が似合う……そのままでいろ。
じゃあまた後日会おう、A」
そう言い、私に背中を見せる。
お姉ちゃんは、こんなにも温かい人と愛し合っていたのか。
お姉ちゃんの相手が、冨岡さんで良かった。
私の事を大切にしてくれるのは、お姉ちゃんの事があるからだろうが、
それでも嬉しい。
しかし、再認識した。
『(この人を巻き込んではいけない)』
大切な人を、お姉ちゃんが大切にしていた人を、
私はもう二度と、傷つけさせない。
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あの人って誰何だよって話ですよね、
すみません話間違えてました、はい←
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匿名 - 濃ゆいって方言ですか? (2019年12月26日 23時) (レス) id: e1da86b5ff (このIDを非表示/違反報告)
麗優(プロフ) - ほんとですよね笑 無敵だけどいい迷惑ですね。はい、よろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 114271c2f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 猫まんまさん» あ、そうなんですか(笑)教えていただいてありがとうございます! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 麗優さん» 何で職場なんですかね、、ほんとあれは無敵スキルですよね、、これからもよろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
猫まんま(プロフ) - 伊織さん» あっ。でも、そのグループ解散しちゃって…。 (2019年12月22日 22時) (レス) id: a02a4587d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 | 作成日時:2019年12月4日 22時