ヒプノシスマイク×忘愛症候群

『もう二度と』 ページ5

彼の兄弟である、山田一郎さん、三郎くんにも相談した。




どうやら忘れられているのは私だけのようで。





一郎さんも三郎くんも一緒になって原因を探してくれていた。





その時、一郎さんから紹介された神宮寺寂雷さんに






｢忘愛症候群｣というものを発病している。







そう、言われた。








忘愛症候群、友人が言っていた。







それは、愛と命を天秤にかけるような病だと。





彼は記憶をなくし、私は愛を諦めるか




彼は記憶を覚まし、私は命を諦めるか





その、二択。




私は、迷っていて＿周りが見えていなかった。




キキーッ、ドンッ！





＿グシャッ




痛みと共に見えたのは、私の愛しい人の顔だった。






最初は本当に誰かわからなかった。



おはようと声をかけてきた女の名前も知らなかった。



兄ちゃんと三郎は女の写真を見せてきて、覚えていないのか、と聞いてきた。




本当に知らなかった、いや、思い出せなかった。





女が、




俺の恋人が目の前で轢かれて死ぬまでは。






｢…は……俺、なん、で……｣




彼女を抱き上げ、呼びかけても反応はない。




冷たくなった体。




わかっているんだ、もう彼女が助からないことくらい。




わかっているんだ、もう彼女が俺の名前を呼んでくれないことくらい。




俺が発病したのは忘愛症候群。




漫画に載ってたんだ、忘愛症候群を治す方法を。





それは、愛する人の死。







でも＿



｢こんなの、無ェだろ…ｯ…！目ェ覚ませよ、なぁ…？｣









もう二度と








『彼を呼ぶことは出来ない』









｢彼女以外は愛せない｣









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