この物騒な世界に幸せを！二【文スト】 (ページ6)

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五十四話闇に生きる花ページ6

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「失礼するぞ」

そう言って入ってきたのは、着物の似合う赤髪の女性だった

『＿＿貴方は』

「姐さん」

「ちと私(わっち)と話をせんか？中也抜きでのう」

「え？あ、はい…？」

2人がすれ違いざま、何を言っていたのかは聞こえなかった

姐さんと呼ばれたその人は、椅子に座るとまじまじとAの顔を見詰めた

「綺麗じゃのう……これは中也も＿＿」

『中原さん？』

「前に一泊娘を泊めたなんて言うから、どんな童じゃろうと思っていたのじゃが＿＿＿中也に何もされていないか？」

『否、何もされていませんけど＿＿』

そういうと、口元に着物の袖を当て、クスクスと笑った

「そうかえ。＿＿嗚呼、私(わっち)の名は″尾崎紅葉″ポートマフィアの幹部をしておる」

『尾崎＿＿＿さん』

彼女の頭の中には、文豪＿尾崎紅葉が思いつく。
でも彼は男性だったはず＿＿

「＿＿単刀直入に伺うが、お主はマフィアに入る気はないのかえ？」

その言葉には、少し圧がかかっていたような気がした

「お主は、闇に向いておる＿＿」

「お主は、闇に生きる花じゃ」

尾崎の目は、鋭くなる

同時刻、薄暗いポートマフィアの地下牢で
太宰は目的の人物を待っていた。
鎖で繋がれた手を見て、頃合いかなと呟く。

「相変わらず悪巧みかァ太宰！」

声のした方を見れば、四年ぶりに見る相棒の姿。

「こりゃ最高の眺めだ。百億の名画にも優るぜ」

相棒、中原中也はそう云って口角をあげた。

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