百三十六話 喧嘩するほど仲がいい ページ36
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「全く……ここ数年で最低の一日だよ」
「何で俺がこんな奴と……」
互いに悪態を吐く太宰と中也。
そんな二人をみてAは悪意無しの言葉を放った
『お二人は仲がよろしいんですね』
「「こんなやつと仲がいいとか死んだ方がマシだ/だよ」」
その言葉に、Aはこてんと首を傾げた
「太宰、『ペトリュス』って知ってるか」
「Aちゃん、こいつ酒に五月蝿い癖に飲めないんだよ」
「うっせぇ黙れ」
『お酒は別に飲めても飲めなくても変わりないと私は思いますが……そもそもお酒は向精神薬のひとつですから____ペトリュスは確かとても高い葡萄酒でしたよね』
「詳しいのか?」
『親からカクテル言葉等、お酒に関することは聞いてます__私、未成年なんですけど』
呆れたような顔をするAに、二人は同情する目を向けただけだった
「手前が組織から消えた夜、俺はあれの八九年ものを開けて祝った。そのくらい手前にはうんざりしてたんだ」
「それはおめでとう。
そう云えば私もあの日記念に中也の車に爆弾を仕掛けたなぁ」
「あれ手前かっ!」
愉しそうに喧嘩をする二人に、つい笑みを零す。
「__今笑ったか?」
『___へ』
「あ〜〜〜!!今笑った!!ちょっと珍しかったのに〜〜〜!!」
またわーわーと叫ぶ二人を他所に、Aは自らの口角を触る
『___笑えてたんだ』
ふと前を向くと、古びた扉があった
その扉を開けた先には_____
「助けを待つ眠り姫様だ」
そこには、葡萄の蔓に絡め取られた一人の子供__夢野久作が居た
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舞。(プロフ) - 心さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年11月17日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞。 | 作成日時:2019年11月12日 15時