百一話 彼女はやっぱり ページ1
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ザザッ、と雑音が混じり、通信機の向こうの人間が話す。
『至急、至急 本部よりゼロナナ 手配中の連続殺人犯がその近辺を逃亡中との情報あり 年齢は十四 和装で身長五尺足らずの少女 繰り返す____』
初老の警察官は冷や汗を一筋垂らし、目の前にいる赤い着物の少女、鏡花に視線を向けた。
「お嬢ちゃん……
鏡花は、何も言わずに警察官を見た。
その目に宿る、見詰めると呑み込まれてしまいそうになる闇に、警察官は息を詰めた。
そして、ゆっくりと通信機に再度語り掛ける。
「……本部。こちら____」
警察官の手が、腰の拳銃に伸ばされた、次の瞬間。
鏡花は強く地面を蹴り、手にした小刀で警察官の肩を切り裂いた。
「警部っ!?」
若い警察官が声を上げ、跳躍して乗ったパトカーの上からまた強く車体を蹴って飛び上がり小刀を構えた鏡花を見上げた。
彼が腰の拳銃に手を伸ばすのとほぼ同時に、敦が鏡花の腕を掴み、彼女を抱えるようにして地面を滑った。
そして、鏡花の着物の合わせを掴んで叫ぶ。
「何てことするんだ!!」
『何をやってるの!!』
鏡花の瞳が、夢から覚めたように、大きく見開かれた。
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舞。(プロフ) - 心さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年11月17日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞。 | 作成日時:2019年11月12日 15時