溺れて (ページ22)

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中「A、ほんとにごめん」

海人は頭を下げた

『ごめんだけじゃわからない、話してよ』

中「うん、そうだよね」

海人はぽつぽつと話し出した、

中「俺らの店はさ、ゴリゴリのホストクラブじゃなくて、結構軽めなところでさ、」

「まあそのぶん、いい商売が出来てなかったりしてたんだけど」

「経営がね、ちょっと危なくて」

「そこで俺らの店の経営してる偉い人の娘さんがね、俺気に入られちゃったみたいでさ、困ったけど」

「その日、俺行くつもりだった」

「Aと水族館めっちゃ行きたかった」

「その娘からいきなり連絡入ってさ、俺が来ないと店潰してやるってさ」

「俺のせいで店がなくなるなんて絶対嫌だって思った」

そうだったんだ、

『じゃあ、なんで連絡しても連絡しても出てくれなかったの？』

中「それも、スマホ触るなって電源落とされたんだよね、」

そんなことがあったなんて、

『こんなこと言うの失礼だけど、ほんとに？』

中「ほんとだよ、信じて」

「だけど、なにもしてない。あの日も都内歩いて帰った上手く話してね」

『会社は？お店は？』

中「大丈夫だよ、ほかのお店紹介しといた、それに俺なんかじゃ良くないよって言って離れてもらうようにしたからね」

中「だから、ほんとに、ごめんなさい」

理由が知れてよかった

でもあの日の寂しさと

悲しさを思い出すだけで胸が痛い