中島敦【トカゲノシッポ】 ページ2
『っはぁ、、はぁっ!!!』
Aは走っていた。
自分の約五米先に居る『彼奴』を捕まえるために。
息を荒くしながら、ただ足を前に出す
急がなきゃ。『彼奴』を見失ったら又一からやり直しだ!!
『敦君!!其処の路地を右に曲がって!!挟みうちにして捕らえる!!!』
敦「うん!!」
走りながら、同僚の敦君に指示を出す。
よし。これで多分大丈夫。
程なくして、前に敦君が現れる。『彼奴』は驚いて足を止めた。
今だ!!!!
『どりゃあ!!』
足を止めた瞬間に飛び付いた。
『彼奴』を捕まえて、抱きかかえる。
やっと捕まえた!!!
『猫ぉ!!!!!!』
猫を抱きかかえたまま、その場に座り込む。
何か疲れた、、、、、、、
敦「Aちゃんお疲れ様。大丈夫?」
敦がにこやかに話しかけ、Aに手を差し出す。
優しいなぁ、敦君だって疲れた筈なのに。笑顔も可愛いし、癒される!
『うん。ありがとね』
其の手を掴んで立ち上がった。
敦「そういえば其の猫って社長の知り合いの猫なんだっけ?」
『うん、そうみたい。普段は探偵社じゃあ猫探しなんてしないもんね』
どうやらこの猫の飼い主社長の昔の知り合いらしく、普段は猫探しなどの依頼を受けない探偵社でも依頼を断れなかったそうだ。
『にしても可愛くて綺麗な猫ちゃんだね!』
敦「うん。可愛いよね」
真っ白な体に澄んだ琥珀色の瞳。
外に出た事で少し汚れてしまっているけど、洗えば直ぐに綺麗になるだろう。
癒される、、、、、、!!
『、、、、、、、何か敦君みたいだね』
ポロッと口から零れた言葉。
かなり小さな呟きだったが、敦には聞こえたらしい。
敦「えっ、僕に?」
『うん。凄く可愛い!』
何げなく言った言葉だった。
敦「、、、、、可愛い?」
『うん!敦君の髪と同じ色だし、癒されるっていうかさ_____』
次の瞬間
ドンッ!!!
背中に鈍い衝撃が走り、後ろには壁、目の前に敦の顔が在る。
所謂『壁ドン』という状態だった。
『えっと、敦君?どうした?』
緊張してしまい、猫をギュッと強く抱き締める。
敦「___Aちゃん。僕のこと可愛いって思ってるの?」
敦君が口を開いた。
敦「僕も男だよ?僕が優しいとか思ってる?」
『あ、敦くんごめ___!?』
言葉を遮る様に互いの唇が重なる
数秒間の口付けの後、敦がAの耳元で囁いた。
敦「僕だって男なんだから______油断しないで、ね?」
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作者名:arieru:アリエル.ミミズ.トカゲノシッポ | 作成日時:2017年4月22日 21時