お隣の諸伏くん

お隣26日目 ページ28

おばさんが珍しく怒鳴っていると思えば、ドアが開く音がした。




「すみません、お話は聞かせてもらいました。続きは署の方で聞きましょう」




「あ？なんでここにサツがいんだよ！！」






いつから居たのだろう、2人の警察が手帳を見せてくる。




そしてその後ろから出てきたのは、Aちゃんのお母さんだった。





僕らには見せたことの無い冷たい顔で、黙って男の方を見る。






「……3年前裁判にはしない、養育費もいらないって条件までつけてあげたのに、無視したのは貴方の方よ。私の家で、何してるの？」




「菜々子…い、いつから居たんだよ。そんなに怒るなよ、な？俺ら昔はあんなに仲良かったじゃないか……」







Aちゃんを探すようにこちらを向けば、血相を変えて飛んできた。





「またAに手を挙げたの！？信じられない、なんでこんなに血が…」




「あの人、お皿でAちゃんの事殴ったんだ！！僕ら音を聞いたんだ！」




「っ……もう、連れていってください」






後日連絡をしますと警察が言って、男を拘束して連れて行く。




最中何かずっと叫んでいたけど、警察がいる安心感で僕はずっとAちゃんの事だけを心配していた。







「お、おばさん。Aちゃん、ずっと気失ったまんまなんだ、ごめんなさい、僕なんにも…」




「何言ってるのよ景光くん、あなたがいなかったらAが今頃どうなってたことか…、病院に連れて行くけど、皆で顔見せに来てあげてね」





百合子おばさんが、菜々子さん今救急車呼んだからと声をかけてそのまま来た救急車に乗っていく。

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