パンダの妹

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高専に戻って数時間


もう寝ている生徒もいる中、Aだけはなかなか寝付けないでいた



『んん〜…、はぁ』




自室の電気を消し、布団を被るものの全く寝れない

寝返りを打っては真逆を向き、また上を見る


その繰り返しだった




『…』



起き上がってぼうっとすると、目が熱くなるのを感じた




『お兄サンのとこ…いこ…』




お気に入りのブランケットを持ち立ち上がるA





コンコンコンと、ノックが3回



｢はいはーい。んもお〜誰だぁこんな時間にぃ…って、Aかぁ。どうした？｣


『今日、お兄サンと一緒に寝ちゃ駄目デスカー…？』



必死に俯くAの目には溢れんばかりの涙

俯いていても、肩の震えからパンダには伝わった様で




｢ほらほら、行くぞ布団。お前はいつまでたっても可愛いなぁ、末っ子ちゃん｣


『だっでぇ…っ、きょ、う！皆ボロボロだっだぁ！お兄ザンいないじっ、棘っチャンも真希チャンも、皆血だらけでぇ！！』




ふと目を閉じるとまぶたの裏に焼き付いたソレが頭から離れないのだと言う



『Aはっ、特別強くないから…1人も守れない…っ』



未だグズグズと泣きじゃくる妹の頭を撫でながら布団に入るパンダ


数分もすると泣き疲れたように眠りにつく



｢お前はなぁ…弱くないんだぞぉ〜…。今日の敵はまだ俺らに早すぎただけなんだぞぉ〜。棘に送ってやろこれ｣




暗示をかけながら携帯を弄るパンダ


その画面には狗巻とのLINE


そしてAの寝顔写真




｢お前が頑張ってきてるのは全員知ってるんだぞ、A｣

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