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あの後、思いっきり誠也を突き飛ばして自分の部屋に逃げ帰った私。何かあっても別に良かったと、馬鹿みたいに期待して。自分で自分が恥ずかしくて消えたくなる。
誠也にはもう『彼女』が居るのに。
次の日、誠也はいつも通りで。昨日のこと、まるで覚えてへんような態度やし。
大阪に着いて、直帰する私たちは電車に乗り換えた。
末「…もしもし？え？いや、そうやけど…ええって迎えに来んでも…おい、ちょっ…」
「どうしたん？」
電話をしながら焦っとるから聞いても、「別に…」と素っ気ない。
その時、電話の相手が『彼女』やと直感で分かった。
出張帰りの誠也、駅まで迎えに来るっていう電話や…
可愛い彼女さんやなぁ…
ズキリ…と、また小さく胸が痛む。
『何時頃に駅着く？』
そんなメッセージが正門くんから届き、何となしに返した返事。
「じゃあ、お疲れ様」
末「お疲れっした」
キャリーケースを転がして歩き出す誠也の背中を見送る。
『なんか食べて帰ろうや』って、もう言われる事なんてないんやなぁ。
『Aっ…！』
人混みの騒がしい中、その声は不思議と私に真っ直ぐ届いた。
「へ、正門くん…？」
正「おかえりぃ」
振り向くと、満面の笑みを浮かべた正門くんの姿が見えた。
「ただいま…へへっ、」
なんか照れくさい。ふと後ろを振り返ると、帰って行ったはずの誠也と目があった。
…え、めっちゃ見とる…
その時、「せーやー！」と女の人の声がして、誠也に向かって走りながら向かって来る姿。
あれが誠也の…
腕に纏わりついて、誠也を見上げる彼女は、とても可愛らしかった。
正「A？」
「あっ、ごめん。一緒に帰ろ？」
正「うん。なんか食べて帰らへん？あ〜でも疲れとるか…」
「大丈夫やで、お腹空いた！」
正「んふふ、じゃあガッツリ系でも行く？笑」
どうしたって避けられへん。誠也と、その彼女の横を通って行かなあかん…
「ガッツリ系？って焼肉とかってこっ…」
出来るだけ視界に入らへんように、正門くんの方を見上げて歩いていると、突然キュッと手を繋いできた正門くん。
そのまま、二人の横を通り過ぎて行く。
「……ありがとう、正門くん」
正「ん？なにが？」
惚けて見せるけど、絶対あれが誠也やって分かってて手繋いだと思う。
それは、きっと彼なりの優しさで。私が惨めにならへんように、気を遣ってくれたんやろう。
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ゆうゆ(プロフ) - ふさん» えぇえ🤩ほんまですか、嬉しすぎますー！コメント見てニヤけました🤭❣️ (2023年3月17日 21時) (
レス) id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品大好き過ぎます、🥺💓これからも楽しみにしてます✊🏻🌟 (2023年3月17日 14時) (レス) @page39 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうゆ
| 作成日時：2023年2月17日 14時
