【d!】狂犬のそっくりさん#とは

４３やで ページ44

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「はーい起きて〜今日からリハビリ始めるよ〜！」

『嫌や…リハビリ嫌………起きたくない…………』

「じゃあ俺が掘ってあげようか？」

『もっと嫌や！！！』

「じゃあ起きろ」

『ハイ』


俺の優雅な朝を台無しにしてきたのはペ神だった。脇腹はまだ痛むものの、左腕の骨はだいぶ良くなりつつあるとの事で、マンツーマンでリハビリを始めることになった。

いやリハビリって何気しんどいんすよ。俺大っ嫌い。


「1人で起きれるようになった？」

『まぁそれは。まだ痛むけどな』


よいしょ、とベッドの上で身体を起こす。力を入れたため脇腹は勿論痛むし、左腕にも少しだけその衝撃が来る。


『いっつ……なぁ、やっぱリハビリやめへん？』

「何言ってんの？早く山帰りたいんでしょ？」

『…いえす』

「じゃあリハビリしないとね。はい、先ずこれ」


そう言ってペ神が渡してきたのは、街の百均？とかでよく見る握力を鍛えるやつだった。


「まずはこれで握力を取り戻さないとね。後、今以上に強くなる」

『何で今より強くならなあかんの？』

「シッマから言われた」

『あいつマジで過保護すぎやろ…』

「確かにね〜wまぁ行き過ぎた愛にはなってないから、いいんじゃない？」


まぁ…と呟きながら、右手でにぎにぎと握る。因みに25kgのやつです。まぁこっちは普通やな。

次に左手。

…あれ？やっべ、全っ然握れへん…


「ありゃ。めちゃくちゃ握力低下してんじゃん」

『ヒビ入っただけでこんなに落ちるもんなんや…』

「人によるんだけどね。A君、意外と筋肉ないしね。シッマみたいにバリバリに腹筋割らなきゃ。じゃ、これでやってみて」


次に渡されたやつは15kgのやつだった。あれ、一気にハードル下がった？


「治療中はあんま負担かけないようにしたいから、一応それで暫くね」

『ふーん…』


これだったら普通ににぎにぎできる。これ何気に楽しいわ。

でもさ、脇腹の治療ってできるん？


「脇腹はもう時の流れだね。一応飲薬と塗薬出しとくね。飲薬は1日3回毎食後、塗薬は2日に一回程度にしてね。リハビリは腕のことに関してだけ」

『ほぉ〜。やっぱちゃんとした医者なんやな。最初に掘るとか言われた時ビビったけど』

「ほんまに掘ってもええんやで？」

『急に関西弁になるのやめて怖いから』

「んふふ、やっぱシッマ並みにおもろいなぁw」


此処での暮らしも悪くないな。

最近、そう思うようになってしまったのは気にしないでおこう。


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