19やで ページ20
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タオルの事があってから4日経った朝。その日は何故か、いつもよりも目覚めが良かった。
何が違うのかハッキリとは言えないが、今日は昨日以上に動ける気がする。
そうだ、今日は熟れた西瓜を取りに行こう。今日はすこぶる調子がいい。籠に入れれば何個でも持ててしまいそう。
シャワーを浴びて朝食を取り、赤と黒のジャージ上と、黒のハーフパンツを着、腕にはリストバンドを付ける。リストバンドは気分てわ付けるのだが、最近付ける事が多くなった。なんでやろ?
まぁそんなこんなで朝の支度を終え、竹で編んだ大きめの籠を背負い、少し離れた畑に向かう。
一気に5つ取り、汗をかきながらも無事持って帰る事ができた。早速一つ切ってみる。おぉ、めちゃくちゃ熟れとる。雨が降った時はどうしようかと思ったが、身がぎっしり詰まっていて、ちゃんと赤く染まっている。よかったよかった。
まだ熟れていたのが3つあったので、一切れ西瓜を食べて、あとはラップをかけて冷蔵庫の中へ入れておく。先ほどの籠をまた背負って、畑へと向かった。
…最近事件が多いのは、俺の普段の行いのせいなのか?
家に近づくにつれ、嫌な予感がした。
鶏小屋にいた鶏達は何事かと鳴き出し、ほんの少しだが、自分の家の中から会話が聞こえる。
親が来た?いや、両親は俺が何処にいるか知らないはずだ。
郵便屋さん?いや、彼はちゃんと俺がいる時にしか来ないし、無断で人ん家に上がろうとはしない。
あの場にいるのは誰だ?
恐怖心を煽られ、畑で使う用の鍬を構えて勢いよく扉を開ける。
其処には、緑のパーカーを深くかぶった男性と、黄色いニット帽に豚のピンバッチをつけている男性がいた。
俺はこの人達を知っている。
この国、我々国の幹部の人らだ。
でもなんで、幹部が山奥に来るんや?
鍬を構えたまま立ち尽くした俺と、人ん家で勝手に椅子に座って涼んでいた男性達の間に、重々しい沈黙が、一瞬だけ流れた。
瞬間、口を開いた。
「…し、ま?なんで、ここにおるん?」
黄色い彼が。
しっま、と彼は言った。それが誰だか分からないが、不法侵入には間違い無いので脅しをかける。
幹部様に対してでも容赦なく、それを言う。
『っ不法侵入やで!!国のお偉いさんが何しとんねん!!!早よ出てかんと、この鍬でボコボコにしたるッ!!!!!』
後ろに背負っている籠があるのを忘れて、そう叫んでいた。
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みずがみ。2(プロフ) - ぜにがみさん» 有難うございます〜!! (2019年8月6日 19時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - 完結おめでとうございます〜。これからもみずがみ。さんを応援させていただきます〜。これからも頑張って下さい!!! (2019年8月6日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - しほさん» 有難うございます!! (2019年8月5日 22時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 完結おめでとう御座います〜!密かに応援させて頂いてました。とても魅力的なお話、いつも有難う御座います。これからも楽しみにしています! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 0d336d7836 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - ゆきなさん» 有難う御座います! (2019年7月31日 7時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
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