B2 エレベーターの中で ページ6
・
ひたすら沈黙が流れる。
俺から声をかけようとも思わないし、相手も口を開きそうにない。
まぁ黙って降りるのが一番いいしな。
こんな奴と話したくもない。
…と、心の中で言いながらも、一度は話さなきゃいけないんだろう。
こんな時間があるならシャークんときんときの元へ戻って一緒に居ればよかった。
グ「…君は何故、仲間を生かすのかね?」
グレイが口を開いた。
一瞬吃驚したが、その答えはすぐに出た。
Na「…死なれたら、困るんだ」
困る。
悲しい、悔しいの思いではなく、困るんだ。
勿論そういった気持ちもある。
だが、哀愁や懺悔の気持ちより、“困る”という気持ちが何より強かった。
理由は…まぁ。
グ「困る…?それは何故だ?」
Na「…知らない。わからない。直感でそう思っただけだ」
グ「ほぅ…理由は話してくれないのかね?」
Na「…」
グ「そうか。まぁよかろう」
俺は口先を濁した。
俺は、凄く悪い事を考えているのかもしれない。
でも、此処を出るためだ。
ここから出られるならなんでもする。
…だんだんと自分の中の思考がズレていっている気がする。
だが、それをやめるつもりはない。
仲間も大事だ。
でもやはり仲間より勝る物には敵わない。
何かは…いずれ分かる。
グ「…君は、神を信じるかね?」
なんなんだ毎回唐突に。
Na「信じる時も、信じない時もある。時と場合による」
グ「…そうか。君は、信じる人かと思ったのだがね」
Na「…俺“は”?」
グ「そう、君“は”。後の仲間は神など信仰していないように見えたな。…合っているか?」
Na「そこまで知らないね」
グ「そうか…覚えていない物なのだな」
何が覚えてる、覚えてないかわからないが、
俺が神を信仰している…いや、していた、が正しいな。
かつてキリスト教に入っていた。
いつからいつまでかは知らないが、物事ついた時から信仰していた。
神を信じ、神に捧げ、神に仕えた。
人生の全てを神に捧げようとしたくらい信仰していた。
神が全て。
そう教えられてきた。
いつからだろう。
神を信じなくなったのは。
・
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わんわん - めっちゃ面白いです。更新 楽しみにしています (2020年4月15日 19時) (レス) id: 25bc55c09d (このIDを非表示/違反報告)
チョコまんじゅう☆ - みずがみ。さん≫このお話好きです!更新頑張ってください! (2020年1月7日 18時) (レス) id: a52b65d449 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - arisu(WT)さん» あれは泣いてしまいますよね… (2019年1月31日 18時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
arisu(WT) - みずがみ。2さん» みずがみ。さんエディ君好きなんですか?僕もです!!この前友達と原作見てやられるところで泣いちゃいました。 (2019年1月30日 20時) (レス) id: e4d3d4fa63 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - 実況者好きのバカさん» ありがとうございます! (2019年1月21日 0時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ