【実況者】音楽と共に (ページ9)

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正義/ずっと真夜中でいいのに。ページ9

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俺の彼女は、可愛い。

目を合わせるだけで照れてくれる。

家で体育座りをして、俺を待ってくれる。

手を振ったら、それ以上に返してくれる。

嗚呼、俺がヘタレじゃなかったら、もっと近づけたんやろうな。

～～

朝、目を覚ます。隣には勿論彼女が。可愛い寝顔を見れるのはいいが、仕事があるので起こさないといけない。

「A、朝やで。早よ起きぃ」

声を掛けても、一向に起きようとしない。しゃーない、あんまやりたくないけどやるか。

俺は息を吸い、肺に思いっきり溜め込む。
そして、声を出す。

彼女はそれに反応して起きる。

『…しーあっわせはー、あるいてこーない、だーからあるいていくんだ、ねっ！！』

彼女は俺の耳障りな歌声に綺麗な歌声を重ねて歌う。これが何故か日課になってきた。

歌い終わると、お互いに顔を見合わせる。

「…おはよう、A」

『おはよう、トントン君。時間、大丈夫？』

「え？あ、やべ」

『ふふっ、私朝ご飯作るからシャワー浴びておいで』

「有難う。頼んます」

『はーい！』

元気よく彼女は言う。そして暖かい温度が離れていく。俺は悲しい顔をしていたんだろう、彼女は悪い笑みを浮かべて言う。

『帰ったらまたハグしてあげるからさ！』

どうやら考えていた事はお見通しなようで。彼女に隠し事はできないな。

朝の支度を終え、Aが作ってくれた朝ご飯を食べ、玄関を出る。

今日の夕飯は何にしよう。
帰って2人でゲームがしたい。

考えてる事は彼女との事ばかり。俺は今、幸せ者だ。

でも、幸せは一瞬で消えるものらしい。

キキー、と凄まじい音が近づいてきた。

俺の意識は、途絶えていた。

何が起こったかわからないまま。

嗚呼、死んだのか。それを認めるのに時間はかからなかった。

でもそれと同時に、走馬灯が流れ出す。彼女と沢山はしゃいだり、笑い合ったりした記憶が、そこで終わらないような、そんなもの。

そんな中、俺の声が流れてくる。

「どんなに浅い正義でも、自分で持つ事は大事やで」

俺は何を言っているんだろうか、と正直思った。でも、強ち間違いではないと思う。どんなに小さくても、どんなに薄っぺらくても、正義は大事。俺の好きな言葉、なのかな？口癖だと周りからはよく言われていた言葉。

それを彼女は優しく受け止めてくれていた。

近づいて、遠のいて、

探り合った。

わかり合った。

笑い合った。

巡り合った。

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貴方に会えて、幸せでした。