【浦島坂田船】大好きなうらさかと大嫌いなしません

□ twenty six ページ34

.




ある日、ぼーっとテレビを見ているとあるテレビ番組の企画が目に入る。『友達と行きたい観光場所ベスト10』という企画モノ。それをしばらく見ていると、楽しそうな女の子たちが笑いながら企画に参加していた。

……いいな、とふと思った。

友達が居ない訳では無い。ただし、そこまで親しいと言える関係ではないのだ。その証拠に、今まで遊びに誘われたこともなければ誘ったこともない。

あんな風に笑いあえたらどんなに楽しいだろう。誘おうと携帯を取り出し、メッセージアプリを開いても、文字を打つ気になれない。
難しく、面倒臭いのだ。私という人物は。


｢Aー、センラがスイカ切ったってー。一緒に食べよー｣

｢あっ、うん。待ってうらたくん｣


私がうらたくんの元へ駆けつけると、うらたくんはじっとテレビ画面を見つめる。それにはまだ観光場所の企画が映っていた。
あ、テレビ消さないの気になるのか。


｢ごめん、うらたくん。消すね｣

｢ああいや……別にいいんだけどね｣

｢？ そう……。早く行こう｣

｢あっ！A先に行ってて！トイレ行きたい｣


そう言ってうらたくんは私を先に行くよう促す。少しの不信感を抱きながら私はセンラくんたちの元へと歩き出した。
いつもは私と一緒に居たがるのに、変なうらたくん。


＊


｢うーん……友達かぁ｣


テレビ画面をまじまじと見ながら、彼はそう呟いた。





──────────

久びさの更新お許し下さい……！！

たいへん申し訳ございません……。少し言い訳をさせて頂きますと、私、今年受験生なのでスマホを触る時間が減ってきています。

ごめんなさい。翠華はセンラさんに切られました。それで許して下さい。(？)

これからもよろしくお願いします。

■ twenty seven→←■ twenty five

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す