【浦島坂田船】大好きなうらさかと大嫌いなしません

□ twenty two ページ30

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ある日の休日、私たちはいつもの様にリビングに集まりそれぞれ至福の時間を過ごしていた。そしてその珍しく和やかな雰囲気を破るかのようにインターフォンが鳴る。
くつろいでいるのにわざわざ立って一階まで降りるなんて面倒くさい。
私たちは無言でジャンケンを始めた。運の悪いことに私だけグー負けである。

うらさかは｢ごめん｣と顔の前で手を合わせ、しませんは｢よわ｣と嘲笑してくる。どちらにしても腹が立ったのであっかんべーしたら、うらさかが倒れた。

＊

｢ったく……誰よ、私の至福の時間を邪魔するのは｣

そう文句を言いながら扉を開けると光の速さで中に人が入ってきた。突然のことに扉を開けたましばらく固まる。すると上の階から｢うわああ！！｣と四人の叫び声が聞こえる。
仲良いな、と思わず口走ってしまったがそれどころじゃない。やっぱ泥棒が入ってきて……

急いで階段を駆け上がると黒い服の高身長の人に勢い余ってぶつかってしまった。

｢痛った、すみません！｣

｢あ、Aちゃんじゃん｣

え、何でこの人私の名前知ってるの、と顔を上げるとこれはまた浦島坂田船に負けないイケメンがこちらを見下ろす。
その顔にあからさまに顔を顰めてしまった。また面倒くさそうなのが……

｢なんだ、一緒に住んでるんだったら連絡してよ｣

｢……どうぞ帰ってください、まふまふくん｣

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