４１色々あるんだよ ページ41
衣替えの季節がやって来た。秋風がひゅう、と音を立てて吹き肌寒い。虫達が涼し気な声で鳴いて、更に温度が下がったように錯覚してしまう。
そろそろ勉強の方も進ませておかなければと思い立った時。眩しい西日に傲慢な幼馴染との出来事を思い出してしまった。
あれから数日が経ち、日常ががらっと変わるかと思えば、そうでもなかった。私にやらかした勝己とは未だ一回も話していない。文化祭の練習では台詞合わせをするが、それだけだ。前のようにふざけたりいがみ合ったりでそういう所は好きではなかったが、いざ無くなると少し寂しい気がする。
しかし、なんといってもこの数日間での彼の態度は些か不可解だった。先日例の行動を起こしたのはあちらからだった筈だ。その癖私が近付こうとすると避ける避ける。
「嫌われたのかな」
「誰に？」
うへっ。
背後から突然聞こえた声に飛び上がり情けない声を出してしまった。
「い、出久ん」
「一緒に帰ろう！」
振り返ると大きなリュックサックを背負い、人の良さそうな笑みを浮かべる出久んが右手を挙げて立っていた。
快く頷き二人並んで家路を辿る。
そう言えば彼と久し振りに一緒に帰るなあ。
「そういえばAちゃん最近かっちゃんと喋ってないよね」
何かあった？、と私の顔を覗き込む。深い深い緑の双眼に射抜かれて心がヒンヤリとした。
「あ、あはは…色々あってね」
「ふぅん…？」
納得できないといったような、訝しげな視線を向けられて居心地が悪くなったので、わざと話題を逸らした。
「そそそういえば文化祭三日目って模擬店とか出し物とかの日だよね」
「一日目と二日目に渡り劇と合唱で、三日目が模擬店…うん、合ってるよ」
「出久んとシフト同じじゃん、一緒に回ろうよ！」
両手拳を脇に当て、にこりと出久んに笑いかけると意外にも彼は苦い顔をした。
「え、…かっちゃんと回らないの？」
「いや別に仲良くないし…あいつなら他の人と回るでしょ」
「うーん、そっかぁ…んー」
それでもまだ渋る出久んに段々と申し訳なくなってくる。なんだろう、二人して私の事嫌いになったのかな。
「あー、そんなに嫌ならいいや。無理言ってごめんね」
声が震えたけど気にしない！そうだよ、私って豆腐メンタルなんだよ。家に帰ったら涙腺が崩壊しちゃうほど今悲しいんだ！やばい泣きそう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 259人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
心街(´･ω･`)(プロフ) - 出久の個性ってsmashじゃなかったんだ、でも出久ってsmashしか使えませんよね？ (2016年10月5日 22時) (
レス) id: 6f7dab3e5b (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶＠僕アカ(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます(^^♪頑張りますね！ (2014年11月9日 18時) (レス) id: a57d88f4d5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - おもしろいっす！！返信頑張ってくださいっ！！応援してるっす！！！ (2014年11月9日 18時) (レス) id: 30b58f60fb (このIDを非表示/違反報告)
爆豪緑茶＠僕アカ(プロフ) - ギロスさん» コメントありがとうございます(^^♪ そうですね！もう毎週が待てませんｗこれ以上書きたいですけど規制されるのが怖い…… (2014年11月5日 5時) (レス) id: a57d88f4d5 (このIDを非表示/違反報告)
ギロス - ていうか、キスするとか男前つーか何て言うか…兎に角惚れるぜ勝己！！！！！！ (2014年11月4日 2時) (レス) id: f2f16c433e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ChocoLa♪MHA x他1人 | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時：2014年9月23日 19時
