Code Blue *01

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「トロント大のレジデント？」

「ああ、まだ確定じゃないが、そんな話がでている。」
「すごいじゃない！トロント大って言ったら症例数が多くて、医療水準が高い所でしょ？」
「ああ、ただ1人しか行けないから、新海と争うことになる。」
「そっか。でももし本決まりになったら断る理由はないんじゃない？」
「俺もそう思ってる。」
「すっごいな〜。ほんと耕作はどんどん進んでいくね。」

とてもいい話のはずなのに、藍沢の表情は暗い。
重い口をゆっくりと開いた。

「....正直言うと、Aにもついて来て欲しいと思ってる。」
「え？」
「もしトロントに行くことになったら、いつこっちに戻ってくるか分からない。だから...」
「もしかして、話ってそのこと？」
「ああ。」

藍沢とAは目を合わせず、まっすぐ前を見つめている。
そして、2人の間に沈黙がつづく。

「..."自分の気持ちに正直に生きて欲しい"」
「え？」
「Aが俺に言ってくれた。俺も同じことを思ってる。Aには正直に自分の道を生きて欲しいと思っている。だから...」
「....」
「だから、例えAがここに残ることを選んでも俺はそれでいいと思ってるのも本当だ。」
「耕作...」
「悪い。矛盾だらけだな。」

藍沢は申し訳なさそうに苦笑いをした。

「そっか〜。トロントか〜」
「....すぐには決めなくていい。俺もトロントに行けるか分からないし。ただ、自分の気持ちに正直に決めてくれ。」
「わかった。考えとく。」

Aはこっちの気持ちも考えてくれいる藍沢が嬉しくて笑顔を向ける。

「あ〜、でもよかった。耕作の顔固いから別れ話かと一瞬思っちゃったよ。」
「....もし..」
「もし？」
「..もし遠距離になったとしても、俺は別れる気はない。例え何年になっても戻ってくる。だから...」
「だから？」



「...だから....結婚しないか？」

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