Code Blue *01 (ページ12)

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「え？...それって...プロポーズって...こと？」
「...ああ」

藍沢の突然の話にAは大きく目を見開いて、藍沢を見つめるが、藍沢はまだ前を見たままだ。
数秒か数分か、Aは思考が追いつかない様で固まったままだったが、急にクスクスを笑い始めた。
藍沢はまさか笑い出すとは思ってもおらず、怪訝な顔でAを横目に見る。

「ごめん！笑うつもりじゃなかったんだけど、ふふ」
「....」
「違うの！ごめん、笑ったりして！」

どんどん機嫌が悪くなっていく藍沢をみて、Aは慌てて表情を取り繕うが口元は笑ったままだ。

「ふふ、だって病院のベンチでまさかプロポーズされるとは思わなくて」
「....」

藍沢はいつも以上に恐い顔をしてそっぽ向いてしまった。

「ほんとごめん！違うの、別にロマンチックなプロポーズがよかったとかじゃなくて、
　すごい私達らしいな〜って思って。」

笑顔で藍沢の顔を覗き込むがまだスネているようで、
チラッとAを見た後にすぐまた視線を外してしまった。

こうゆう所が年下っぽくて可愛いんだよな〜。
なんてAは思いながら、藍沢の腕に自分の腕を絡ませる。

「だって、私達ってこの病院で出会って、好きになって、
　付き合うって決めたのも病院でだったよね。なんかすごい私達らしくない？」
「.....」
「普段プライベートと仕事は混同させない！なんて思ってたけど、結構混同しまくりかもね、私たち」

そう言ってクスクスAは笑っているが、藍沢はまだ無言なままだ。
でも、少し表情が緩んできてるのがわかった。

「....耕作。」

Aは腕を離すと、きちんと座り直して藍沢に向かってお辞儀をする。

「こんな私でよければよろしくお願いします。」

頭をあげると藍沢と目が合った。
Aは幸せそうに優しく笑顔を向ける。

「...いいのか？」
「もちろん！私もこれからもずっと耕作と生きていきたい」
「A」

2人がどちらともなく近づいていくと、ゆっくりと唇が触れ合った。

救命に指導医が1人増えたことが皆に伝えられたのは、次の日の朝のことだった。