Code Blue *01

01 ページ1

「三井先生が今月で辞める！？」
「私もさっき知ったの。」

ヘリを待つ慌ただしい救命室で藤川は白石から聞いた、
先輩の話に驚いた。

「お前が一番分かってんだろ、今のこのヤバい状況」
「わかってる」

実際、今日は何度もヘリが飛んでる一段と忙しいなか、
フェロー達ははっきり言って使い物にならない。
灰谷は真面目だが、どこか容量が悪い。白石の指示に戸惑ってばかりだ。
横峯はどこかのんびりしていて緊張感がない。
名取に関しては一切やる気がみられない。何を指示しても毎回気怠そうに返事をする。
そして、雪村は新人看護師で自分たちが指導する訳ではないが、
何かと当たりがキツくて仕事がしづらい。

すでにこんな救いようのない状態なのに、そこから仕事の出来る先輩医師が1人抜けるというのだ。

「緋山が戻るって聞いて、ちょっとは楽できると思ったのに。
　てかさ、橘先生は俺達に死ねって言っての！？」
「何か事情があるのよ。」
「お前は橘に何も言えねぇからな！しょうがねー、俺がビシって言ってやるよ！」

藤川が白石に対して強気な態度で話していたら、

「「おはよー」」

救命室に現れたのは、ちょうど話題になっていた橘先生とA先生だった。

「あ、おはようございます！」

さっきまでの強気な態度はどこにいったのか、藤川が深々と橘先生にお辞儀をする。

「藤川ヘリ戻った？」
「ああ、いま！」

全く橘に話題をふりそうになり藤川に、白石がジェスチャーで促す。
Aはそんな2人の態度に疑問を感じたのか、

「白石、藤川なんかあったの？？」
「あ、いえ！」
「藤川先生が橘先生にお話あるそうです。」
「俺に？なに？」
「ああ、いやっ！ばかばかばか！」

白石の言葉に藤川は更に慌てるが、ちょうどその時ホットラインが響きわたる。

「あれ？またきましたね〜」
「藤川うまく誤摩化したね」
「A先生まで何言ってんすか！そんなことないですって！」

必死に誤摩化そうとする藤川をほっとき、Aはホットラインの内容に集中する。
ホットラインの内容はマンション火災による熱傷患者の受け入れ要望であった。

「白石、私ヘリの方三井先生と対応するわ！とりあえず、白車の方お願い！」
「はい！わかりました！お願いします！」

そう言うと白石と藤川は救急車受け入れ口へ、Aはヘリポートへと方々へ急いだ。

02→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す