三百四十二夜。 ページ44
「ぶう〜まだ離してない」
リンクの背後にいる千年伯爵。先程の攻撃でリンクの術は解けてしまったが、Aの結界は働いている。
その為、伯爵の身体は宙から地面へと落ちたものの、周りの人間が伯爵に触れることはできない状況である。
別方向から来たワイズリーが項垂れている伯爵を数歩離れて眺める。見えない何かが伯爵の周りを覆っていると気付いたようで、コンコンとそれを叩いてみせた。
「ふむ…これは…」
千年公の付近にある弾丸の痕、堅い透明のもの…もとい、結界。あいつか。
「フィードラ、その男の術はもう解けておる。残るはこの結界。そっちの女を攻撃せよ!」
「了解だぶぅ〜!」
リンクに再度攻撃をしようとしていたフィードラはワイズリーの言葉を聞くやいなや、標的を素早く変えた。狙うは壁によりかかり項垂れている女エクソシスト、Aだ。
「察しが良いノアですね…!!待て、私が相手だ!」
「お前に用はないぶう!」
「(打撃が強い未知のノア、今のAが攻撃を受けたらひとたまりもない…!)」
「千年公、離せぶうう!」
地面が崩れるほどの力で宙に飛んだフィードラは腹部にある巨大な口をあけながらAめがけて腕をふりかざす。
「…っ、やめろお!!」
リンクの叫びとほぼ同時に地面の石が砕ける鈍い、大きな音が響いた。
「…ぶ?」
「いってえな」
噴煙が立ちこめる中、Aの前に立ちはだかる者の姿が一人。すんでのところでフィードラの攻撃を受け流したらしい彼は、少し痛む腕をさすりながらAをちらりと見た。
「14番目…!?」
「あ?何でオレこんなやつのこと庇って…」
「邪魔するなぶう!」
「うおっ」
突如Aを庇った14番目もろとも攻撃をしかけ始めたフィードラ。その勢いと威力は全く衰えることを知らないようで、流石に彼もきついものがあるようだ。
「こいつの身体ほっせえんだよ!」
14番目の拳が一発フィードラの顔へ入る。その反動で少し後ろに体勢を崩したフィードラを見て、14番目も距離を取った。
「まだこの身体に慣れてねえのにここまで戦えたオレ、凄いわ」
「邪魔邪魔邪魔…まずはお前からだぶう」
フィードラの声のトーンが低くなったように聞こえたその瞬間、その攻撃は14番目めがけて振りかざされていた。
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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています!! (2020年1月28日 18時) (レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます! お忙しいとは思いますが楽しみにしています! (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(`・ω・´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです!!!続き楽しみにしてます!!!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)
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