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三百二十一夜。 ページ22

私の温かな気持ちがヒュッと底冷えしたものへと変わるのと、肩に乗っていたティムが巨大化し、その人物を押しつぶしたのはほぼ同時のことだった。



『(何でこいつが此処に…っアレンを追ってきたの…!?)』



ティムが巨大化した反動で飛ばされた私は神田とは向かい合う形で少しだけ離れてしまった。あいつは私の事を知っている。しかし同時に記憶を消した女としか思っていないはずだ。



私はこいつの事を知らない振りをしつつ、早く神田に伝えなければ、こいつは……この枢機卿は危険極まりない人物だということを…!



「なにやってんだお前…!?」



『神田!』



呼ばれて私の方を向いた神田へ必死に後ろへ下がるよう手で合図する。



だが、具体的にどう危険なのかを伝えるには言葉にする他ない。目の前にはティムがいてそちら側にいけない、それなら、危機感を持ってもらえる言葉を叫ぶしかない。



『六幻を発動して!!』



ティムに潰されたはずのその人物がいた場所から、地面を割るようにして湧き出てきたそれは勢いを保ったまま、爆発音と共に巨大化したティムを串刺しにして上空へと押し上げた。



『ティムッ!』



瞬時に手に現れた銃を強く握り、ティムを攻撃しているソレに向かって引き金を引く。私の弾丸と共に神田の界蟲一幻も宙に向かって昇っていった。



「A!」



『神田…良かった』



地面を割って飛び出てくるものを避けながら何とか神田の隣へと移動する。
先ほどの私の叫びにすぐさま反応してくれたおかげで、今のところ神田に怪我はなさそうだ。



「アイツは何なんだ。ただの男じゃねぇ…この殺気はそこいらの奴が出せるもんじゃないだろ」



『私も詳しくは知らないの。ただ、言えるのは厄介な相手だということだけ。本当に気をつけて』



その男がいる場所から視線を外さず銃を構えたまま隣に立つAの声色に、神田は少なからずこの男は危険な人物だということを察したようだ。



『(何か…こいつについて情報を知っていた気がするんだけど、思い出せない…)』



割れた地面の独特な土の匂いとその場に立ちこめる噴煙。その奥で、何かが動いた。



『っ!!』



「A!!」



男の身体から出ている白い鋭利なモノが隙を与えることなく、次々に私めがけて襲いかかってくる。
至近距離で何十発も引き金を引き、その内の一つが男の眉間を貫通したかと思えば、そのまま後ろ向きにドサリと倒れ込んだ。

三百二十二夜。→←三百二十夜。



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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています!! (2020年1月28日 18時) (レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます! お忙しいとは思いますが楽しみにしています! (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(`・ω・´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです!!!続き楽しみにしてます!!!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月26日 23時

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