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星の剣に来る途中、一人で回ると言ったアガットと分かれ、私達五人は店の前に到着した。
「ここが魔材屋、星の剣だよ。さあ入って」
ココの反応がまたもや楽しみになっていた私は、店に入るその瞬間のココをジッと見てみる。
予想通り、大きな瞳をキラキラさせて感嘆の声を上げた。
「お店の真ん中に木が…」
「おんや、魔法使いの弟子が銀葉樹を見て驚くとはな…そんな基本的なことも知らんのか?」
「そう言わずに。ココはまだ弟子になって日が浅いんです」
「ゆっくりと学んで欲しいので、まだまだこれからなんですよ。ノルノアさん、お久しぶりです」
「おぉ!誰かと思えばお前さん達か!ほぉうほう!じゃ、この子が例の…」
「大丈夫だよココ。ノルノアさんはとっても優しい人だから」
少し焦っているココに小さな声で囁く。緊張していたのかホッと肩の力を抜いた。
「わしもお前さんのことを知らんかったから、おあいこじゃ!」
「この人はノルノアさん!星の剣の店主なんだよ!」
「さよう。ここにある魔材は全部わしと孫のタータの作品じゃ。そこのAがとんでもない量を買い占めていく度に忙しい日々を過ごしたものじゃよ」
「そ、それは申し訳ないです」
「まぁ、A程の魔法使いも御用達にしてくれる素晴らしい店だということじゃな!」
得意げに笑うノルノアさん。結構お歳だから心配してたけど何の心配もいらなかったみたい。
「好きな濃度で抽出することも出来るぞい」
「ちゅうしゅつ…?」
「…お前さん方、先生の仕事をサボってはおらんか?ちょっとイケメガネと美人で髪の毛がフサフサだからってサボりはいかん、サボりは」
「だからまだ日が浅いんですって」
苦笑いで頭を掻くキーフリー。私もその隣であはは、と笑うしか無かった。
「ココとやら、見せてあげるからついてきなされ」
「はいっ」
上階へと続く階段をのぼっていく。ノルノアさん、ココ、テティア…と続いて最後尾にいるのは私だ。
その途中の階に、窓から差し込む光を浴びながら、小さなナイフを片手に手に持つ木を少し削っては確認するを繰り返している少年の姿があった。
キーフリーに先に行ってて、と伝え、私は静かに少年に近づく。
よほど集中しているのか、私が側に来てもまだ気づいていないようだ。
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アストル(プロフ) - 通行人Mさん» 2回目のコメントありがとうございます!また来てくださって嬉しいです(´˘`*)ほんとに中々ありませんもんね...私も少しずつわかってきた原作の設定を織り交ぜていこうと考えています。オチをどのようにするか迷いますね.... (2020年2月23日 22時) (レス) id: b8413c3aa3 (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - 単行本買ってから思い出して来てみましたー。それにしてもΔ帽子の夢作品増えませんね…設定が緻密でまだまだ謎が多いから難しいんですかね…。これからもちょくちょく覗きますね。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: cbf5c5978e (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - うわわ…ほんと…好みです……ありがとうございます…… (2019年7月31日 20時) (レス) id: ea843ff10e (このIDを非表示/違反報告)
月夜魔法 ルナ - すごくおもそろかったです! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
タルト(プロフ) - 読んでいてとても楽しいです。読みやすく最高です!!これからも頑張ってください、応援しています! (2018年5月17日 19時) (レス) id: ac7dbf19f0 (このIDを非表示/違反報告)
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