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「でも魔法陣の線がヘロヘロになっちゃって」
「もしかして杖が合わないのかなぁ」
ココの背後にひょっこりと現れたキーフリーにおはようと声を掛けると、いつもの優しい笑顔で返事が返ってきた。
挨拶は大切とよく言うけれど、私はこのなんでもない日常の中でキーフリーと交わす挨拶が一番好きだったりする。
「最初にあげたのは僕のお下がりだし…実際に持ってみて選んだ方が良いよね」
同意を求めるように私の方を見るキーフリーに、うんうんと頷く。
「アガットもカルンに行きたいって言ってたから、丁度良いと思うよ」
「よし!じゃあ決まり!ココ、魔法の画材屋さん、魔材屋さんに行こう!」
「まっ、まざいやさん…!?」
途端に目を輝かせるココ。相当嬉しいのか、私の顔を見ながらニコニコしている。
「私とキーフリーがお世話になってるお店でね、私のこの杖はそこのお孫さん、ココ達と同じくらいの男の子が作ってくれたんだよ」
「テティア、ずっとA先生の杖綺麗だなぁって思ってたの!あの男の子、すごいね!」
「A先生おすすめの魔材屋さん…!?更に夢のような響き…!」
「善は急げ、だよ。準備が出来たらすぐに出発しよう」
「じゃあ私はアガットとリチェに伝えてくるね」
「わあ〜っ!魔法使いがいっぱい!」
準備が出来た私達は、早速泥森の街カルンへとやってきた。
靴がまだ無いココと直されている途中のアガットはキーフリーに抱きかかえられている。
一人は私が抱えていこうか?と尋ねたのだけど大丈夫大丈夫!こう見えて結構力あるんだよと断られてしまった。
その直後、本当に軽々とココとアガットを抱きかかえたものだから少しびっくりした。
「(結構細い身体つきに見えるのに…あの身体のどこにあんな力が…?)」
地面に降りると私の姿を見つけた街の人、数人が声を掛けてくれる。
お久しぶりですと会釈すると同時に目の前には、お裾分け!と魔法研究に役立ちそうな材料を差し出された。
「すごい!A先生人気者!!」
「到着して早々に頂いてしまった…」
「流石、Aの人気っぷりはまだまだ健在だね!」
ぐっと親指を立ててくるキーフリーに、またもや目を輝かせるココ達。
少し気恥ずかしく感じながら、魔材屋さん「星の剣」へと向かった。
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アストル(プロフ) - 通行人Mさん» 2回目のコメントありがとうございます!また来てくださって嬉しいです(´˘`*)ほんとに中々ありませんもんね...私も少しずつわかってきた原作の設定を織り交ぜていこうと考えています。オチをどのようにするか迷いますね.... (2020年2月23日 22時) (レス) id: b8413c3aa3 (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - 単行本買ってから思い出して来てみましたー。それにしてもΔ帽子の夢作品増えませんね…設定が緻密でまだまだ謎が多いから難しいんですかね…。これからもちょくちょく覗きますね。 (2020年2月23日 19時) (レス) id: cbf5c5978e (このIDを非表示/違反報告)
通行人M - うわわ…ほんと…好みです……ありがとうございます…… (2019年7月31日 20時) (レス) id: ea843ff10e (このIDを非表示/違反報告)
月夜魔法 ルナ - すごくおもそろかったです! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 26180cce76 (このIDを非表示/違反報告)
タルト(プロフ) - 読んでいてとても楽しいです。読みやすく最高です!!これからも頑張ってください、応援しています! (2018年5月17日 19時) (レス) id: ac7dbf19f0 (このIDを非表示/違反報告)
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