魔界最強の俺はどうやら人間界最低ランクの女の使い魔に選ばれたらしい。【男主】パート2！

75.「魔物界最強になる前の話。」前半 ページ29

そこまで遠い昔ではない。
魔法があまりこの世界に浸透していないとき、俺は人間だった。
生まれ持った青い髪に青い瞳。
魔物が取りついた悪魔の子として、見世物にされてきた。
全く知らない人間から馬鹿にされ、暴力を振るわれたこともあったけど…中には優しい人だっていた。
あまり良い日々は送っていなかった。
暴力を振るわれたときは一日の記憶が全くなかった。
それが、何なのかわからないけど、記憶がない日が過ぎると決まって暴力をふるった人は俺の前に姿を出さなかった。
そんな日が何日か続いたとき。


魔物の大群が町を襲った。


多くの人が亡くなったと聞いた。
俺を馬鹿にしたやつらも、俺にやさしくしてくれた人も亡くなった。
初めて魔物が町を襲った事件に一番疑われたのは俺だった。
魔物の言葉なんてわかんないって言っても信用なんてされなかった。
疑われついには、俺は処刑台の上だった。
何が何だか分からずに、淡々話を進められて、俺は大勢の人の前で殺されそうになった。

まぁ、生きている意味なんてわかんないから、どうでもいい。
これでいいやと思っていたら、多くの人の中に見えた一人の女性の笑顔。

嬉しそうに顔を歪めていて…

なんとなくこいつが犯人なんだな…。
仕組まれてたのかなって思った。
俺が気づいただけで周りは気づいていない。
そのまま、話は進んでいき俺は殺された…。
はずだった。
気が付いたら周りに人間の姿がなかった。
何が起こったなんて俺にはわからない。
気づいたら一人だった。
いつの間にか外れている拘束をみて、周りを見渡すと一人、いた。
そいつは俺と目が合うなり大声で叫んだ。



『ほ、本当に魔物の子だったんだ！！』

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