61.「遠征3日目」後半 ページ15
エメット「確か…。ワームの牙…だったはず…。」
カノン「え…あの大きいやつから歯を貰うの…?」
カノンの言葉に頷くエメットとクレイ。
ミカが思ったように口を開く。
ミカ「え…。だったら初めに会ったときに戦っとけば良かったってことですか?」
クレイ「んー。初めに会ったのは群れだったからなぁ…。群れはこの人数じゃきついかも…。Aいるけどね…。」
「Aは私たちを守りながら戦うのは得意じゃないらしいし。」とクレイはミカに少し困ったような表情をして言った。
どうやら、クレイと戦ったときにバレていたようだ。
その言葉にミカは考え込むように言った。
ミカ「そうなんですか。Aさんどんなに魔界最強で強くなってもやっぱり変わらないんですね。」
最後になるにつれて声が小さくなって聞き取りづらかったが、その言葉は俺だけにしか聞こえていなかったようで誰も反応することは無かったが驚きを隠すことができなかった。
A「…。」
俺が睨むように見ると、ミカは少しだけ嬉しそうな顔をしただけで何も言わなかった。
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今のところ、魔物は出てくることもなく俺達は順調に洞窟の中を進んでいる。
俺はさっきのことで頭がいっぱいだった。
A(変わらない…って)
俺は昔にミカに会ったことがあるのだろうか。
『変わっていない』というのは向かいの俺を知っている奴なのか…。
わかんねぇ。
全く思い出せない。
…。
思い出せないのは理由がある。
俺には幼い時の記憶がない。
きっかけは何だったのかわからない。
気が付いたら俺は魔界最強と言われていた。
カノン「Aっ!!」
カノンの叫び声でふと我に返ると共に俺の体に衝撃が来る。
A「…ッ!?」
そのまま吹き飛ばされ、受け身を取ることもできず壁に激突した。
魔界最強になってから、今までになかった感覚が蘇る気がした。
A「かはっ!!」
壁にぶつかった衝撃で胸の中にあった空気が押し出される。
いてぇ…。
体が軋む。
だけど、楽しい。
魔界にいたときは、だれも俺を恐れ避ける。
だが、人間界にいる魔物は俺のことを知ってながらも攻撃を仕掛けてくる。
それが、嬉しい。
思わず、口がにやけてしまう。
A「『斬撃』」
その言葉とともに俺は刀を振りかぶった。
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ナルス(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます!! (2018年2月4日 2時) (レス) id: 0c168f8630 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 続き楽しみにしてます!これからも頑張って下さい!! (2018年2月3日 2時) (レス) id: 0b9483743a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナルス | 作成日時:2018年1月22日 19時