桜色の男の子2

♧ ページ14

『うわ、あっつ』




やっと出軍出来たのは良いが
暑さで項垂れる


昼間の砂場は予想以上にヤバイ
こんな中戦っていたと思うと尊敬しかない





安定「波の音が気持ちいいね
連隊戦じゃなかったら遊びたかったなぁ」




安定ちゃんの言葉に激しく同意する
海に入ったことないし見たことも無かったけど


こんなに美しいとは思わなかった





『皆、僕偵察してくるから
岩場に隠れてて！』



そう言って
砂浜にいるはずの時間遡行軍を偵察に行く





(こういう時鎹鴉がいてくれたらなぁ)



なんて思いながら
丁度良さそうな岩場からソッと敵を観察する





(相手は六体・・・大太刀一人かぁ
あの陣形なら方陣が良さそう)




すぐにみんなの元に戻り
状況を伝える



乱「オッケーだよ！」

日本号「初めての偵察にしては中々だな」

加州「気を引き締めていくよ」

姫鶴「がんばろーね」

安定「じゃ、行こうか」




『じゃ、皆行くよ！』




気合を入れそう叫び


加州「ちょ、」

日本号「待てお前ッ」



脱兎のごとく走り敵陣の中へ
つっこんでいく




乱「え、」

加州「う、嘘なにあれ！」

安定「なにそれ！？」

日本号「ちょちょ、」

姫鶴「・・・すご」




右へ左へと揺らめく刀は
時間遡行軍の身体をスパパパッと切り伏せていく





『遅いよ！』



うねる刀身はまるで
生きている蛇の様だ




全員倒せた、といったところで




「「ちょっと待った！！！」」
の声が響き渡る



加州「な、なにその刀！」
乱「わ〜！波紋可愛い〜！」
安定「打刀・・・じゃないよね」
姫鶴「どうなってるの？」



一斉に押し寄せてくる質問に
頭がすこしパニックになる



『ま、前の主は身体が凄く柔らかくて・・・
だから僕をこんな形に』

安定「柔らかいからってこんな刀身にするかな
甘露寺さんって不思議な人だとは思ってたけど」


『えッ！？』




不思議な人のイメージがついてたの！？
と驚いていれば





日本号「というか、危ねぇよ！」


『いだッ！！！』




鉄拳が飛んでくる

日本号「いいか？こんな刀なら
お前は大太刀同様後衛に回るべきだ」

『た、確かに・・・ごめんなさい』




僕の刀身は前方後方どちらにも対応できるし
一気に敵を殲滅出来る可能性がある




乱「でもさっきみたいに
Aちゃんが突っ込んで敵を一掃するの

ある意味ひとつの作戦じゃない？」



なんて言うも



安定「ひとまず”臨機応変に”ってことだね」


の一言で落ちついた

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