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「 A、これ届いてたよ 」
病室へ入る時に、僕とA宛に一通の手紙があった。
「 結婚招待状…？ 」
Aが頭にハテナを浮かべながら、中身をみると
「 照くん、結婚するんだ 」
照くんからだった。
「 A、行きたい？ 」
人の幸せを誰よりも喜ぶA。
結婚式には必ず参加していた。
「 うん、行きたい 」
Aの望みだ。外出許可を取らなくちゃ。
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「 大丈夫？ 」
「 うん、大丈夫だよ 」
僕がAの手を取って、ゆっくり歩く。
今日は、照くんの結婚式だ。
新郎新婦の入場です、と明るい声が響けば、ドアの向こうから照くんとその奥さんが歩いてくる。
「 かっこいいね、照くん 」
隣を見ると、Aは泣いていた。
「 幸せになって、良かった、 」
あの時、照くんが言った、好きな人。
それがあの奥さんだった。
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二人がこちらへ近づいてきたから挨拶をする。
「 来てくれてありがとう 」
「 こちらこそ、呼んでくれてありがとう 」
「 来てくれないかと思ったよ 」
照くんはそう言って、Aと笑ったあと、僕を見た。
「 お、おめでとうございます 」
「 なんでそんなに緊張してんだよ 」
「 だって… 」
「 もう、照くん、ラウールのこといじめないでよ〜 」
「 まだ、お姉ちゃんは健在だな 」
そんなこと言われたから、僕はムッとして
「 Aの夫です 」
そう言ったら、照くんは目を丸くして、
「 えっ、え？！言えよ！ 」
すごく驚いていた。
ごめん、照くんの結婚式なのに…。
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「 すごく良かったね 」
帰り道、Aはそう言って、僕の隣を歩く。
Aは結婚式の時、ずっと花嫁を見ては涙していた。
「 結婚式、あげよう、僕達も 」
「 え、？ 」
こればかりは、僕の願望。
Aの花嫁姿が見たいんだ。
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神奈(プロフ) - 死ぬほど良いですねこの小説。。。大好きです。 (2020年2月22日 22時) (
レス) id: 39da3a00d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：a.
| 作成日時：2020年2月15日 15時
